今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

2018年2月に劇場で観たその他の映画

今月は結構本数観たけど、やっぱ感想書いてる時間が無い…。もっとサクッと書けるようになりたいなぁ。

今月は日本映画が傑作ぞろいだった。

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ザ・リング リバース

おなじみ貞子のリメイク。え?リバース?w
いやはやなんとも普通な感じ。中盤以降は推理サスペンスになっちゃうのでちょっと退屈だったかも。
呪いのシーンやクライマックスの部分はそれなりに手に汗握るし、フツーに面白かったんだけど…けどやっぱりなんとも普通な感じ。

 

スリープレス・ナイト

これは拾いもの!面白かったー。クライムアクション。いわゆる悪徳刑事もの。
ベイビードライバーで証明していたように、ジェイミー・フォックスは悪いヤツやらせたら最高かも。
タイトルからもわかるように、ひと晩だけのタイムリミットサスペンスなとこや、ビルの中だけで完結するとこ、どんなピンチな状況でも不屈の精神とアイディアで乗り切る主人公、って設定がまるでダイ・ハード!排気口内でのほふく前進まであるから確信犯なのでは?ど派手な爆発はしないけどねw あと96時間的でもあり。

知らなかったんだけど、もともとは2011年の同名タイトル(フランス映画)のリメイクなんだとか。そっちも見てみたい。

  

マンハント

ジョン・ウー監督らしいアクションシーンは良かった!けどその他はもう色々目をつぶるしか無いって感じだった。
たぶん、元になった高倉健さんの映画のオマージュなんだろうけど、いきなり冒頭で演歌が流れて、もう最初から笑っちゃったw
でも、あえてこのヘンテコさを楽しむというのはアリかも。ある意味ジョン・ウー監督の作家性が強烈に発揮された他では真似出来ない映画ではないかと思う。

自分が感じたことは全部てらどんさんのブログに書かれてました!

www.teraniht.xyz

 

不能犯

白石晃士監督の映画はわりと好きだったりするんだけど、これはちょっと自分的には無かったなあ。
すぐに「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造を連想したんだけど、レビューを見るとみんな同じように感じてるようでしたw
白石監督らしくちょっとエグい描写とかもあってそこそこ楽しめたんだけど…。

松坂桃李の表情はマンガっぽいケレン味があって悪くないと思ったんだけど、やっぱこれどんな能力なの?って思っちゃうよね…。
沢尻エリカとかその他のキャスティングもちょっとアレかな…という感じ。ごめんなさい、ごめんなさい。

 

グレイテスト・ショーマン

これこそジェットコースタームービー!?っつーくらい、物語が一気に進む進む!休む暇なんてありません!ひと息つけるのはミュージカルシーンくらいw
ミュージカル属性があんまりない自分でも、歌と踊りは圧巻で楽しかった。

でもあとで考えるとちょっと変な映画なんですよね。
あきらめずに夢を信じて!あなたは一人じゃない!仲間がいる!世界に一つだけの花!身分の差なんて関係ない!なんてディズニー映画みたいな顔してるけど、実は人間の欲望や野心に周りが振り回されるというようなお話だったりして、そこがなんともこの映画のフツーじゃない魅力になっている気がする。
画面がなんか暗かった。

 

ガーディアンズ

ロシア版アベンジャーズ。これはスゴイ映画!…(いや、ウソw)。
ラズベリー賞的な愛され要素のある映画です。DVDスルーされる枠から1本だけスポットライトを当てて劇場公開してみたという感じ?
でも、こういう時流に乗ろうとしてハズしたユルい映画が大好きな人たちには、たまらない魅力があるんじゃないかなと思ったり。まさにアベンジャーズ全盛の今、これを劇場で観るからこそ意味がある!(おおげさ)。

意図してるのかしてないのかわからないが、クマーはこの映画最大のチャームポイント。DVD出たら家族みんなでわいわいツッコミ入れながら観るのも楽しそう。
エンドロール後のおまけもさっぱり意味わかんねーって感じで笑えますw

 

祈りの幕が下りる時

この映画についてはまったくの知識ゼロ状態で観たのですが、「え?これって砂の器?」って終始思いながら観てました。あとで検索してみたらやはりオマージュっぽい。最初の字幕による説明とかよく似せてあるし。

「新参者(加賀恭一郎シリーズ)」というシリーズドラマであり、原作はあの東野圭吾ということも知らなくて。一定のファンがいる前提の映画だったんですね。
でも自分のような、まったく無知な人でもちゃんと楽しく観ることはできました。
ただちょっとね、映画ならではのゴージャス感がもう少し欲しかったかも。全体的にちょっとテレビっぽいとこがなんか気になりました。

名作!まだの人は見比べてみるのも面白いかも。

 

犬猿

ヒメアノ~ルの監督の最新作。これも傑作!
兄弟いる人は絶対に観たほうがいいと思うけど、いない人はどう感じるんだろう。

題材は違うけどヒメアノ~ルと同じような構造になっていると思った。でもこっちはソフトでコメディ寄りなので、安心して広くおすすめできるw

ヒメアノ~ル 通常版 [DVD]

ヒメアノ~ル 通常版 [DVD]

 

 

コンフィデンシャル/共助

 ひとことで言うと、韓国版リーサル・ウェポン
北朝鮮の若いイケメン刑事と、韓国のブサ刑事のバディ・ムービー。
ダークで過激な韓国ノワールな映画ではなく、コメディ要素満載の明るく楽しいアクション映画。こう書くとなんだかつまらなそうだけど、とんでもなくよく出来た映画な気がする。でも、なんつーか、まとまり過ぎなのかも。優等生すぎる気がしないでもない。

トイレットペーパーを武器にするっていうのが斬新過ぎて面白かった。 

 

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さて、3月はまた観るべき映画が目白押し。

観た映画:勝手にふるえてろ

http://furuetero-movie.com/img/gallery/02.jpg

普段ロクにTVも見ないし、どちらかといえば日本映画もあんま観ないほうだし、若い俳優さんやアイドル的な人たちの名前もあんまり憶えてないし、松岡茉優の映画だから観たい!なんてことももちろん無く。
芥川賞を取った若い女性の書いた小説、ってことくらいは一応知ってました。綿矢りささん、タモリ倶楽部にも出てたしね。 

www.youtube.com

ただ、映画の良い評判をネットで目にしていたし、タイトルもなんかカッコいいし、もしかしたら案外面白いかも?くらいの気持ちでふらりと観に行きました(いいわけじみた長い前置きw)

 

でも、正直、若い人や女性の観客が多い映画はオッサンひとりだと少し勇気がいるんですよね。
案の定、高校生くらいのキャピキャピしたグループや、OL風の人や、若いお母さんなんかが席に陣取ってて、うわーちょっと恥ずかしいなってそそくさと前の方の人気のない席に座ったり。
もしかして「オッサンひとりで観に来てるー」なんてひそひそ話してないかなとか聞き耳立てたり(自意識過剰w 誰も気にしてねーよw)。

 

と、まあ面倒くさい思いして、やっと始まった映画も、主役の松岡茉優がずっとハイテンションで何かウキウキしながらひとり語りしてて、「うわっ、これ本格的に自分が観る映画じゃないかも」って思ったんんだけど、最後まで観終わった感想は…

すばらしい傑作でした!おっさん、ひとりで勝手にふるえてました!w(気持ち悪い)

 

自意識過剰は若者の特権だと思っているかもですが、オッサンだって毎日毎日アホな妄想したり、自意識過剰に生活してるんです。

さすがに会社とかリアルな生活上での恋愛妄想はしないけど(人生棒に振る可能性あるしねw)、でも同窓会あたりで昔好きだった女の子に会ったりすると、いまだに妄想の恋を復活させたりくらいはするもんですw

冒頭にも書いたけど、たかが映画観るのにも人の目を過剰に気にしたりするんです。

タモリ倶楽部もひとりで見るの好きなんです。空耳アワーのタオルも欲しいです。アンモナイトは買わないけどw

映画やマンガ好きで体育会系をバカにして、『霧島、部活やめるってよ』の神木隆之介にシンパシー感じるくらいの青春時代を送った人間なので、この映画のヨシカにもそれなりに共感できるんです。 シアミ(視野見?)とか笑っちゃうくらい理解できるしw

まあ、オタクだろうが体育会系だろうが若者だろうがオッサンだろうが、みんな自分のこと好きだし、たぶんこの映画観たひとはかなりの割合で、主人公を何かしら自分に当てはめることができるんじゃないかなと思います。

 

それにしても主役の松岡茉優さんはすごく魅力あるし素晴らしい演技してましたね。こういう役って難しいですよね。 きっと。

恥ずかしながら、霧島部活やめるってよ、のあのイヤな女子高生の人だと知ったのは映画を観て後でした(同一人物なのあれ?)。
昔、NHK限界集落ってドラマに出てた時に、あ、この子すごくいいなあ、って思った記憶はあったんだけど、まさかこんなに魅力的で上手な俳優さんだったとは。

 

すみません、この映画はとっても説明がしにくいし、内容を文字で説明しても面白さなんてたぶん伝わらないと思うので、なんのこっちゃって感想をいきなり書いてしまってますが、もうとにかく心に刺さる良い映画だと思うので、とりあえず観て下さいとしか言いようがないです。

強いていうと、ちょっと『500日のサマー』に似てるかな?って思いました。いや、全然関係ないかなw

 

ただ、一点だけちょっと「あれ?」って思ったのが、タイトルの「勝手にふるえてろ」ってセリフは、主人公のヨシカに向かって吐かれる言葉だと思ってたら、そうではなかったのが「?」でした。

 

映像的にも変わってて印象的なシーンも多く、独特の映像表現と言うか感覚というか、そんなとこも新鮮に感じられたのも良かった。おすすめです。

 

と満足したんですが、映画が終わったあと、後ろの席の女性たちがみんな出てったあとに、こっそり最後に映画館をあとにしました(だから誰も気にしてないってば。気持ち悪い)

 

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小説も読むべきか?

勝手にふるえてろ (文春文庫)

勝手にふるえてろ (文春文庫)

 

 

監督の大九明子さん。初めて聞く名前でした。すみません。他の監督作品もぜひ見てみたい。 

でーれーガールズ

でーれーガールズ

 
ただいま、ジャクリーン
 

 

 

観た映画:デトロイト

これはヤバイくらい重たい映画。覚悟して観る必要があるかも。
ちょこっとネタバレしてるのでご注意を。まあ史実をもとにしてるのでネタも何も無いけど。

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キャスリン・ビグロー監督といえば、自分は昔『ストレンジ・デイズ』を見て、ラストで頭をガーンと殴られたような衝撃を受けた(ずいぶん古い映画なのであんまり覚えてないけどw もう一回見たくなってきたなあ。今度レンタル探してみよう)。

最近は『ハート・ロッカー』や『ゼロ・ダーク・サーティ』で、すっかり社会派な監督として名を馳せているけど、相変わらず頭をガーンと殴られるような映画ばっかり作っている。

で、今回のデトロイト。これまで以上でした。

頭を100回くらいバットで殴られるような映画だった。

 

暴動の起きたデトロイトで、警官や州軍にちょっとしたイタズラをしたばかりに、若者たちが地獄のような一夜を過ごす。というお話なんだけど、もうその描写がマジ恐い。恐怖そのもの。
ヤクザやマフィアに捕まるというシチュエーションも怖いけど、相手が警官だからもう為す術がない。誰も助けられないし、助けてもくれない絶望感。
何もしてないジョン・ボイエガが取調べを受けるとこもホント怖かった。

実際の当時の映像も挟みつつ、カメラも揺れ揺れのドキュメンタリータッチで撮っているので、観客はその恐怖を文字通り「体験」させられる。ドキュメンタリー風なんだけど、これ以上無いくらいのホラー映画でもある。

 

『アイ・イン・ザ・スカイ』というイラク無人機でテロリスト攻撃し、何の罪もない子供を巻き添えにするって映画を以前観たんだけど、その重い事実とは裏腹に、映画としてのサスペンスがエンタテインメントに感じて、なんだかとても複雑な気分になったことがあった。

でもこのデトロイトは、ドキュメンタリー風にすることでギリギリ、エンタテイメントに感じないというか、客観的に映画を観ている側として楽しませてくれないような作りになっている。自分も100回くらい頭を殴られているような、そんな気分にさせられてしまう。

しかも、暴力を受けるドラマティックスのボーカル、ラリー(アルジー・スミス)が、この出来事によりエンタテイメントとしての曲を唄えなくなるという事実が、もう重すぎるくらい重くて本当につらくなる。
この映画、スター・ウォーズのフィンを演じたジョン・ボイエガが主役のように宣伝されてるけど、主役は間違いなくラリーを演じたアルジー・スミス。

 

それと、暴力を振るうメインの警官、クラウス演じるウィル・ポールターが凄い。動きと言い、顔つきといい、変な眉毛といい、とにっかく憎たらしい!


これが映画かどうか区別付かなくなった人に襲われちゃうんじゃないかと心配になるほど、彼に憎しみを抱いてしまう。それくらい凄い演技だし、演出されている。アカデミー賞助演男優賞は、この人にして欲しい。

http://eiga.k-img.com/images/movie/87571/photo/ac456a8501450e0b/640.jpg?1513041115
http://eiga.com/movie/87571/gallery/2/

 

この映画、時代は1967年だけど、すでに70年代っぽいファッションや車や町並みがなんともイイ感じ。だけど何度も気軽に観るような映画じゃないんだよなあ…。DVD出ても借りないし買わないかも…。

 

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それにしても、デトロイトを舞台とした映画は素晴らしい映画が多い。

古くは『ロボコップ』。最近だと人生ベスト級に好きな『グラン・トリノ』。あと『イットフォローズ』や『ドント・ブリーズ』。ぜんぶ面白い。

 

  

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