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今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

怖いけど楽しい!気味悪いけど爽快!正統的な楽しさの『貞子VS伽倻子』

そろそろ上映が終わりそうな気がしたので、慌てて見に行った。
大好きなサム・ライミ作品のような、怖がりつつも笑える映画でした(あそこまでドタバタでは無いけれど)

この映画に何を求めるか人によって違うと思うけど、普通に考えると自分のように特にホラーファンというほどでもない人がタイトルに釣られて「怖がりたいっ(ワクワク)」ってパターンの人が多数だと思うし、たぶんその期待は外さないはず。
もしかしたら、リングや呪怨シリーズが大好きだったり、映画に詳しい人ほど不満に思うかもしれない…。

自分はリング(貞子)は1作目をビデオで見ただけだし、呪怨(伽椰子)もおそらくシリーズのどれかをひとつ見ただけ、というくらいの知識しかないけど、この映画のタイトルを最初見た時は「マジか(笑)!なんかスゲー面白そう」と思ってしまった。
当然『ジェイソンVSフレディ』や『エイリアンVSプレデター』などを誰でも連想すると思うけど(実はどっちもちゃんと見たこと無いw)、個人的にはタイトルのインパクトやワクワク感は貞子VS伽倻子のほうが上だった。なぜかは知らない(笑)


あらすじは特に説明しなくても、予告編の「バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ!」のひとことで十分だと思うw

(以下、ネタバレ的なことも書いているので見てない方はご注意を)

白石監督の作品はレンタルで『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』 をちょっと見た程度なんだけど、きっとあの独特のインディペンデント感というか、フェイク・ドキュメンタリー感というか、そういうのを匂わせてくるんじゃないかと思ったけど全然そんなこと無く、すごく正統的な作りになっていてちょっと意外だった。スゲーまっとうな正統的な手腕を持った監督さんなんだなと…(偉そうでゴメンなさいw)

一人暮らしの老人とか大学の講義シーンから始まるのはいかにもって感じだし、主役の呪われる女子とかわかりやすいし、気味の悪い家の隣に引っ越すシーンとか定番な感じだし、様式美というか正統的というか、なんだか安心感すら感じた。

貞子と伽椰子についても、ちゃんと順を追って説明しているのでわかりやすい。
特に貞子のパートは丁寧に見せているし、今までのシリーズを見てなくても問題ない。何より貞子がちゃんと怖い。展開もスピーディでテンポよく怖がらせてくれる。

もう一方の伽椰子や俊雄のほうはちょっとはしょった感じもするけど、隣に越してきた女子高生を通して背景を説明しているし、小学生たちを容赦なく襲うところはすごく怖い(けど俊雄のキャラは超楽しいw)。

で、順調に楽しんでいると、突然にケレン味たっぷりのキャラが登場する。

http://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/c/p/9a/3e/355059_005.jpg
凄腕の霊媒師、経蔵と珠緒。
まるでマンガに出てくるような風貌と会話で、「こいつらが来たからにはもう大丈夫」的な、まるで名探偵ホームズとワトソンみたいなそんな楽しいコンビ。
この二人が何者なのか、背景の説明は一切無いんだけど、なんというか記号的なキャラだと思えば色々想像もできるし、自分はこの二人が後半の進行役として自然に見れた。
逆に、スピンオフでこの二人の解決事件簿とか今後作られるかも?とか期待したり(無いかw)

あと気になったのが霊感の強い女子高生の鈴花(玉城ティナ)。

http://mb-cache.walkerplus.com/moviespm/special/2016/sadakovskayako/image/cut_chara02.jpg
おかっぱ頭で目が大きくて最初はネコ娘っぽいと思ったが、見てるうちにだんだん楳図かずお伊藤潤二のマンガのキャラを連想した。暗くて不気味な感じが出ててとても良かった。

http://img02.hamazo.tv/usr/b/e/a/beatus/umezu.jpg https://pbs.twimg.com/media/CXJAw-XVAAAgx_G.jpg

逆に主役の有里は聡明で正義感や度胸もあって正統的な主役キャラ。こっちは自分の好みではなくあまり魅力的には感じなかった。

あと大学の教授も最初は楽しげなキャラになるのかなと期待してたけど、すぐにあっけなく消えてしまったw

という感じで、登場人物も正統さもありつつマンガっぽい面白さもあり、リアルなものを求めてなかった自分にはちょうどよい感じ。

 

肝心の貞子と伽椰子の「対決」については、前半にじっくりその強さを見せつけてくる貞子が自分の中でメインっぽい扱いになっていて、クライマックスの対決シーンでは心情的に貞子を応援したくなっている自分がいたりしてw
「でも貞子が勝っちゃうと全世界の人が呪われちゃうから(理由は映画をみて)やっぱり伽倻子が勝つべきか?この家の中に封印しておけば被害も少ないし」とかわけわからん思考になりながらも手に汗握りながら見てたら…なんと最後のあの結末に…(もちろん笑えます)

正統的なホラー映画の安心感とマンガチックなキャラの楽しさ、後半は期待通りの手に汗握るバケモノ対決で、結論としてはすごく楽しめた映画でした。音も重要な怖さの要素なので映画館で見るのがオススメです。

 

<余談>
聖飢魔IIのエンディングテーマはちょっと迫力無いなあと感じたけど、今時のハードでアップテンポなメタルバンドより安心感があって、やっぱり正統的な感じがした。

あ、オチをしっかり見せてくれるのでエンドロールの最後まで席を立たないように。あれを見ないとスッキリしないかも。

 

<余談その2>
エンドロール後の映像を見て、なぜかメキシコの麻薬組織のドキュメンタリー『カルテル・ランド』の最後の映像を思い出した(ちょっとだけ見た目が似ているw)。まあ、こっちの映画のほうがよっぽどホラーだったりしますが…。

 

 

白石監督といえば、こんな本も出しています。宇多丸のウィークエンド・シャッフルでもフェイク・ドキュメンタリーについて対談してましたね。