今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

ミスター・ガラス

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スプリット : 作品情報 - 映画.com


今年一発目に観た劇場公開映画は、楽しみにしていたシャマランの新作『ミスター・ガラス』。

シャマラン監督というと世間的には大当たりした『シックス・センス』(1999年)で知られるところです。そっちの印象が強烈過ぎたのか続けざまに放った『アンブレイカブル』(2000年)は、あまり話題にならなかった記憶があるのですが、私はこの映画大好きです!
当時、何も予備知識入れずに観たのですが『シックス・センス』以上にびっくりしました。「アメコミは現実だったんだぜ!」っというバカバカしいことを大真面目にシリアステイストで作ったことに。いや、ほんと文字にするとアホっぽいですがw 斬新なアプローチだったなーと今でも思っています。

その後は皆さんご存知のように駄作を連発したりで「シャマランもうダメだわー」と言われ続けましたが、『ヴィジット』(2015年)で復活し、前作の『スプリット』(2017年)でまた大きな話題を作りました。

そう、誰もが驚いたまさかのシャマラン・ユニバースのぶち上げw

『スプリット』は多重人格者を演じたジェームズ・マカヴォイの怪演に圧倒されるとても面白い映画なんですが、17年前の『アンブレイカブル』と実は同じ世界の中の物語で、次回作は『アンブレイカブル』に出ていたミスター・ガラス(サミュエル・L・ジャクソン)を主役にした映画になるという予告編を最後に仕込んでたんですw

「俺の考えた面白い世界用意してるからね」というシャマラン監督からのメッセージに全部持ってかれちゃって、せっかくのマカヴォイくん好演の印象が薄くなってました。

逆に言うと『アンブレイカブル』を知らない人には何これ?状態だったと思いますw

 

シャマラン監督の映画が好きな人も、そうでない人も、この『ミスター・ガラス』には不安と不安と不安と期待が入り混じっていたんじゃないかと思います。

アンブレイカブル』が好きな私も楽しみではありましたが、観終わった最初の感想は「おまえはリュック・ベッソンか!」でした(笑)*1
不安的中…w

一応書いておきますが、上で述べたように『アンブレイカブル』と『スプリット』を観ているのが前提です。だってシャマラン・ユニバースですし。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観るには、ある程度一連のマーベル・シネマティック・ユニバース作品を観とかないと楽しめないですよね。
なので「よく知らないけどシックス・センスの監督の新作なんだって~」というノリであれば『クリード 炎の宿敵』を観ることをオススメします(観てないけどw)。

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以下、本作含め関連した2本のネタバレも若干含むのでご注意下さいませ。

別に前の2本観てないけど、あらすじだけ知って観に行きたいというチャレンジャーのためにざっくり説明しますと、

アンブレイカブル
ブルース・ウィリスは生まれてこのかた病気も怪我もしたことない。高速電車脱線事故にあってもひとりだけまったくの無傷という壊れない肉体の持ち主。さらに犯罪者に触れるとそいつの悪行が映像で見えるという特殊能力を持つ(ただし水には弱い)。しかし自分がそんな能力者だと今の今まで気づかず、何か満たされない気持ちで鬱々として暮らしていた。

一方、特殊能力を持ったスーパーヒーローが現実にいると信じて疑わないミスター・ガラスことサミュエル・L・ジャクソン。彼は高い知能を持つが、生まれつき骨が弱く簡単に骨折してしまう難病持ち。
そんなミスター・ガラスがついにアンブレイカブルブルース・ウィリスを発見し狂喜乱舞。彼をスーパーヒーローの道に誘う、というストーリー(オチはさすがに書きません)

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アンブレイカブル - 作品 - Yahoo!映画

 『スプリット』
マカヴォイ扮する男は24人もの人格を持ついわゆる多重人格者。24人の中には女性もいれば子供もいる。まともなやつもいれば頭のおかしい悪いやつもいる。そんなサイコなマカヴォイは、なぜか若い女性をさらっては監禁している。
誘拐された女子高校生のひとり(アニヤ・テイラー=ジョイ)は、その多重人格者を理解し、利用して脱出を試みるが、マカヴォイにはビーストと呼ばれる超人的な身体能力を発揮できる恐ろしい人格も備わっていた…というストーリー。

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スプリット : 作品情報 - 映画.com


だいぶ前置き長くなりましたが本作のあらすじ

ブルース・ウィリスはあれから17年間ずっと息子と組んで自分の特殊能力を活かし、バットマンよろしく自警団として暗躍していた。そこへ、若い女性を誘拐して監禁している多重人格者マカヴォイの情報を聞きつけ探し回り、ついに発見する。
さあ超人同士の対決か、というところで謎の精神科医サラ・ポールソン)率いる集団に二人とも捕まって施設に収監されてしまう。そこには、狂気の頭脳を持つミスター・ガラスも収監されていた。

精神科医は、なぜか彼ら三人のことを弱点含め熟知しており、決して逃げられない状態にした上で、「あんたたち!自分が特殊能力を持つ超人と思っているかもしれないけど、それ勘違いだから!」と、彼らの単なる思い込みだと諭し説得を始めるが…。

 

さて、ここまでは予告編でも見せているし、ここからどう展開するのか?が楽しみだったのですが、 ごめんなさい。見事に拍子抜けでした。
タイトルがミスター・ガラスなんだから、彼の超人頭脳っぷりが思う存分味わえるのかと思ったけどそんなこともなく(無くはないがそんな大したことしてない)、ではブルース・ウィリスやマカヴォイの活躍が見られるのかというと、そんなこともない。

劇中で何度か思わせぶりに出てくるオオサカタワー(なぜにそんな名称w)で二人の超人を全世界にお披露目しようとミスター・ガラスが企むので、ああそこで思う存分戦いが始まるのかと思いきやそんなこともなく。

一応、車をひっくり返したり鉄の棒を曲げたりするんですが、そもそも彼らはアベンジャーズ的なありえない能力ではなく、もしかしたら人間ってここまで出来るかも?的な微妙なラインに設定してあるところが面白いわけで、ドッカンドッカン暴れることは期待してないし、前の2作もサスペンスタッチが面白かったわけだし。

 

じゃあ、やはり焦点は謎の精神科医、となりますよね。

何しろサラ・ポールソンの顔立ちがもう強烈なのでw、今回の主役はこいつに違いないと思うわけです。

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ミスター・ガラス : 作品情報 - 映画.com

この精神科医がしつこく「あんたたちは精神異常なだけのかわいそうな人たち」と繰り返すので、観ているこちらも「もしかしたら妄想の世界というオチ?」と思うわけです。シャマランだけにありえるなとw

まあ、案の定彼女は謎の組織の一員で(最初からそう見えますしねw)、ある目的のために行動していることが終盤明らかになるのですが、その説明にはまったく共感も納得もできませんでした。
取って付けたようなシーンを入れただけで、それ以上の説明もなく、彼女も特に目立った行動は起こしません。

 

では、この映画はいったい誰が主役で何のお話なのか?

私の答えは、主役はシャマランで、私の妄想ワールドをお楽しみ下さい 、という映画だと思いました。なので冒頭の「お前はベッソンか」になるわけです(別にベッソンもシャマランも嫌いじゃないです…w)

ミスター・ガラスはシャマランの代弁者なので、彼の超人っぷりを見せることは割とどうでもよく、彼が何をしたいか?を語ることが重要なのでした。最後のほうで、ミスター・ガラスの本当の目的(妄想)が明らかになるのですが、それこそシャマランがずっと中学二年から温めてきた世界(テーマ)なんじゃないかと。

もちろんそこは面白いなと思ったし、この3部作は、自分が何者か見つけられない人への希望の話だったり、心に傷を持った人への癒やしだったり、今作だと、人間の可能性という素晴らしいテーマが含まれているので、魅力的な映画になっていると思いますが、今作に限っては妄想が暴走した印象が強くて…。

映画監督や作家が自分の好きな世界を全開に表現し、伝えることは当然だし重要だと思いますが、どこにラインが引かれるかは大事だと思うんです。

もちろんその監督の感性や妄想が自分にヒットする人にとっては最高の映画になるんでしょうけど、自分にはトゥーマッチに感じちゃって。
あまり全面に出しすぎて暴走気味になった映画はどうにも好きになれないんですよね…。もちろん突き抜けかたにもよるのでしょうが。

なので、去年公開されたベッソンの『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』も、ほんと辛かったです(ごめんなさい)。

ただ、趣味的にはシャマランのほうがしっくり来るので、今作はまだ許容範囲ではありました(偉そうにごめんなさい)。

でも、ベッソンもシャマランも、俳優の見せ方がうまいなあと思うので、今回もそこは痺れました。
主役三人はもちろんですが、サラ・ポールソンの顔は見てて飽きないし、アニヤ・テイラー=ジョイちゃんは、『スプリット』の感想でも書きましたが強烈な印象を残してますし、あと『アンブレイカブル』に出ていた息子と、ミスター・ガラスのお母さん役も、わざわざ同じ俳優を使ってくるとこなんて、前作好きな人にはグッと来るものがありました。

個人的にはシャマラン暴走してるなあと感じましたが、やっぱりあの独特さは魅力だと思いました。映画観てるって感じは高いです。

 

にしても、それほど面白いと思わなかったのに、なぜかたくさん書いてしまったw

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 前2作はどちらもハズレ無し!まだの人はぜひ。

アンブレイカブル(字幕版)

アンブレイカブル(字幕版)

 
スプリット (字幕版)

スプリット (字幕版)

 

seymourgw.hatenablog.com

 

 

 

 

*1:映画館を出た後にスマホTwitterを開いたら、ちょうどコーイチさんが同じ事つぶやいててほんとビックリしましたw