今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

圧倒的に凄いものを見た!『シン・ゴジラ』

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面白かったとか、よく出来ていたとか、そんなありきたりの感想では足りなくて、ただただ圧倒的に凄いものを見てしまったという感想しか出てこなかった。

明らかに3.11をベースに安保法案的な事も匂わせた政治のことを描いてるけども、ありがちな現状批判や政府批判がメインでもないし、安っぽい日本人讃歌でもない。
純粋に日本人を応援しているような、見つめ直しているような、そんな映画だと思った。現在の日本に住んでいる人なら誰もが持っている感覚が見事に表現されていて、多くの人に共感されると思う。

とにかく日本人なら一刻も早く映画を見に行って欲しい。

って、書くとなんだか説教臭い映画に思うかもだけど、超絶エンターテイメント映画にちゃんとなってるからすごい。
子供の頃にワクワクした怪獣映画の楽しさ、破天荒さもある。しかもミリタリーオタク感全開w

もう何を書いてもネタバレになりそうなので、こんなブログ読んでないで、早く映画を見てからまた読みに来てくださいw 以下、具体的にネタバレも色々書いてます。


『シン・ゴジラ』予告

 

公開初日とはいえ、最終の回でほぼ満席。庵野監督=エヴァンゲリオン人気ということもあるんだろうか。ちなみにエヴァはあまり興味が無くて映画版を1本見た程度。

昭和ゴジラは小さい頃はそれなりに熱中したけど、ゴジラというよりキングギドラガイガンメカゴジラが好きで興奮してた記憶がある。
平成ゴジラにいたっては、まったく見てないし、最近のハリウッド版はどちらも見たけど、評判の良かったギャレス・エドワーズ版もそれほどグッとこなかった。

 という感じで、見る前からさほど期待してなかったこと、事前情報をまったく入れてなかったことが良かったかもしれない。予告を見て「庵野秀明監督だし変わったゴジラになりそう」程度の心持ちで見に行ったんだけど、見事にいろんな意味で裏切られた。もちろん良い意味で。

 

まず最初にビックリしたのが、事件が発生したかと思うと、政府の対策シーンがものすごく早いテンポで展開するところ。ゴジラっていうと何だか仰々しく思わせぶりにゆっくり始まるだろうというイメージがまず壊される。
謎の巨大生物出現?の映像よりも緊迫した会議のやり取りが凄い早いテンポで進んでいくその会議自体が面白い。何言っているのかよくわからないけど、閣僚、官僚ならではの言葉遣いが「映画のセリフ」ではなく、ほんとに実際にこう話すんだろうなという感じ。きっと現実もこんな感じで会議が進んでいるんだろうなと思える説得力がある。
加えて閣僚や官僚のいかにもお役所仕事なマヌケぶりが笑うに笑えない(笑ったけどw)

 この時点でそうとうこの映画に面食らっているが、傑作の匂いがすでにプンプンしている。

 

次にビックリしたのが、ゴジラだと思っていた巨大生物が、ヘンテコなイモムシのようなとぼけた顔の怪獣だったところ。これにはホント驚いた。
ゴジラってもしかしてこのヘンテコイモムシ怪獣と闘うのか?」と頭の中が大混乱w 

そしてまさかの成長(進化?)。これがまた何とも言えずカッコイイ。いや形状はまだへんてこでカッコ悪いんだけど、なぜかすごくワクワクする。進化カッコイイ!
ゴジラの小さいのはミニラだと思い込んでる人は、その概念をぶち壊されるw

そして、ゴジラの本当の強さと怖ろしさ。東京が完全に崩壊するかもしれないという恐怖。まさかの諸外国の反応と絶望感。完全にファンタジーの世界にも関わらず、なぜか妙なリアル感があって不安にさせられてしまう。

 

最後に驚きのゴジラとの対決方法。福島原発に例えているんだろうけど、その作戦やチーム感が超燃える。映画としての楽しさにあふれている。

他にも、とんでもない数の役者が総出演しているのも、まさにオールジャパンという感じで圧倒される。

 

こんな、日本人による完璧な日本のゴジラ映画を作られたらもうハリウッド版ゴジラなんて二度と作れない(作る気無くす)はず。作ったとしてもこれは絶対超えられない気がする。

冒頭の東宝の古めかしいロゴとか、最後のゆらゆらしたシン・ゴジラのタイトルとか、おなじみのテーマソングとか、ちゃんと昔のゴジラ映画のリスペクトもありつつ、今の日本の新しいゴジラ映画になっている。

 

密度の濃い映画なので、まだまだ発見や面白さがありそうだし、リピーターも多そうだし、誰かに語りたくなる圧倒的に凄い映画でした。超オススメ!というか日本人なら見るのは必須です!

 

 

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ