観た映画:スプリット
シャマラン監督の新作で評判も良いと聞いたので、さっそく観に行ってきた。
今回の『スプリット』はシャマランの映画でも上位に位置する傑作な気がします。とにかく緊迫感がハンパない。
情報はまったく入れず、トレーラーも見ずに(映画館でも予告編たまたま見なかったし)、あらすじすら知らない状態で観に行ったんだけど、まあ結論から言うと、前作『ヴィジット』同様、オチが重要ってこともなく、ある程度情報を入れても特に面白さはさほど損なわれないんじゃないかと思った。
た・だ・し
今回のスプリットでは、確かにこれは知らないほうが良いかも?という部分が最後にあって、そこについてはどうしてもひとこと言いたい!
いや、シャマランに興味の無い人には特にどうってこと無いことかもしれません。
うん、きっとどうでも良いことですw
ここから先はまだ映画を見てない方は読まないで下さい。
主人公のジェームズ・マカヴォイ演じる男は、多重人格者(だからタイトルはスプリット)。24人もの人格を持っているって聞くと、ビリー・ミリガンという実在の人そのまんまじゃないかと思うんだけど、たぶんそれをベースにしている。
しょっぱなからこのマカヴォイが高校生3人を誘拐するとこから始まるんだけど、これがまた超怖い。こんなヤツが隣りにいたらホント怖いだろうなあ…。
映像がまた不安を煽る感じで、カメラがゆっくり不気味に動くし、顔のアップが多く、俳優の表情から色々想像させるような作りになっていて、直接状況を見せるよりもずっと怖かったり。
表情から怖さや状況を想像させる、という事は俳優の力がとにかく重要になってくるのだが、この映画、とにかく俳優の力がすごい。
多重人格者を演じるジェームズ・マカヴォイの演技が何より圧巻。24人もの人格がどんどん入れ替わるだけでなく、他の人格のふりをする人格とか、いやまあとにかくビックリするくらいそういう人に見える。
もうひとりの主人公である女子高校生ケイシー役のアニャ・テイラー=ジョイがまたインパクトのある顔というか目というか表情というか、こちらも強く印象に残る。ちょっと目が離れていて美人というわけでは無いのだが、吸い込まれそうな目をしているし、映画を観終わったあとも脳裏から離れなかった。
新人女優らしいんだけど、よくこんな人見つけた(選んだ)シャマランさすが。
あと、マカヴォイ演じる多重人格者のカウンセリング?を担当しているフレッチャーを演じているおばあちゃん。アップでも全然耐えられる品の良いきれいな人なんだけど、調べてみたら何と『キャリー』(デ・パルマのほう)に出てたあの優しくきれいなコリンズ先生だったというのがちょっとした驚きだった。
『キャリー』って自分が中学くらいの映画だからもう40年くらい前の映画かぁ…w
当然もうおばあちゃんになっちゃうよね。
映画はとにかくコワイ&緊張感の連続なんだけど、女の子の過去、多重人格者の秘密、脱出のドキドキ感、すべてがうまく絡み合っていて、わかりにくいということもなくスムーズに映画にのめり込めるようになっている。
最後のビーストはちょっとお笑いも入っていたけどw、スリラー映画としてほんと最高に面白かった。
ああ面白かったーーーー!って思って大満足したのもつかの間、まさかのあの仕込みがw
自分は『アンブレイカブル』は当時ほんとに素直な気持ちで見て、「こんな映画あるんだ!」とビックリして衝撃を受けた人間だし、もしかしたらシャマランの映画で一番好きかもしれないんだけど、そんな自分ですら
「何これ?シャマランユニバース!?」
って思わすのけぞって椅子から落ちそうになったw
まったく余計なお世話的な意味で完全にやられた感じですw
これがあるからこそのシャマランなのかもしれないけど、そう来るのかあ…って、これを書いててもまだ何か吹っ切れないものがありますw
つーか、アンブレイカブルってもはや知らない人のほうが多いんでない?シックス・センスならまだネームバリューもあると思うけど。
おそらく劇場にいた人の80%くらいは「???」だったと思う。もしかしたらシックス・センスのブルース・ウィリスとなんか絡んでるのでは?と勘違いされてるかも。
はぁ…。面白い映画だっただけに、最後にうっちゃられた衝撃が大きすぎたw
余談
タランティーノとシャマランって、どちらも自身が映画に良く出演するけど、今回の役は唐突過ぎて何者なのかさっぱりわからなかったし、映画の緊張感がプッツリ切れちゃうのでもう出ないで欲しいw(個人的見解)。
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過去に書いたシャマラン映画の感想です。よかったら。