今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

2018年10月に劇場で観た映画

10月のベスト・ナイスガール
クレイジー・リッチ!』に出てたこの人!

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オークワフィナ(Awkwafina)
この隣のおねえちゃん的な佇まい。大学の時クラスにこんな人いたよ!
動きもオモロかった。

 

1987、ある闘いの真実

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前に紹介した『タクシー運転手』の続編的な韓国映画。ここでもユ・ヘジンが大活躍。
光州事件が1980年だからその7年後の出来事。ってどんだけ暗黒時代が続いてたんだ、韓国。

タクシー運転手に比べると重くて暗い。個人的には『タクシー運転手』テイストが好み。
ちょっと感傷的に描きすぎている気がしないでもない。
自分は少しだけ冷めた目で見てたんだけど、両隣の男性がふたりともすすり泣いててちょっと驚きました。
いや、普通に泣く映画ではありますが。

良かったらこちらも。

seymourgw.hatenablog.com

 

 

クワイエット・プレイス

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期待通りの面白い映画でしたが、傑作!という感想まではいかなかったかな。
でもホントドキドキしたし楽しめました。
ですが、ブログレビュー界隈では賛否両極端に分かれてる感じですね。
(個人的にはナオミントさんのレビューが好きです)

期待値がすごく高いとガッカリがハンパないのかも。
あと、自分はこんな世界でも子供を作ろうっていうとこに違和感ありませんでした。
どっちかというと鳴き声対策や、部屋の中での音対対策の甘さが気になってしょうがなかった。あと、どれくらいの音がアウトなの?って基準が曖昧なとこが一番モヤモヤしました。
 

クレイジー・リッチ!

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花より男子」は井上真央のテレビドラマ版しか見たことないですが、基本的にあれですよね。超お金持ちの彼氏と貧乏娘が結ばれるお話。
オッサンなので、さすがに人前でキャッキャウフフと感想言うのは控えますが、まあキラキラした映画で楽しかったです。
自分のツボは冒頭のオークワフィナとケン・チョン親子が出てくるシーンw
オールアジア人によるハリウッド映画という画期的な作品らしいですが、勢いがあっていいですよね。どんどんこういうの作って欲しいです。

 

死霊館のシスター

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全然怖くなかったw
陰湿で後味悪いホラーかと思いきや、ギャグ要素満載の楽しい映画でした。サム・ライミの『スペル』を観るくらいの気持ちでちょうど良いのではないか。
今回は『死霊館』シリーズの前日譚という設定。ヴェラ・ファーミガがツヤツヤのピチピチに若返ってる!とビックリするも、実は21歳も歳の離れた妹さん(タイッサ・ファーミガ)が演じてたという騙し。知らずに観に行ったのでほんとビックリした。
ヴェラ・ファーミガは顔が好みなので、次回は妹さんと共演してくれたら2倍楽しめそうです。

 

デス・ウィッシュ

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イーライ・ロス監督なので、すっごいバイオレンスか、へんてこなやりすぎ映画なのかなと思いきや、意外にも手堅い作りの映画でした。

ブロンソンの『狼よさらば』のリメイクだそうで、いわゆる復讐もの。
弱っちいブルース・ウィリスに最初違和感ありありでしたが、実はサイコ野郎ってとこが新鮮でした。最後のほうで、ウィリスの地下室の部屋がパッと映し出されたシーンにはゾクッときた。
刑事役がディーン・ノリスで、まさか善良な医者が犯人とは気づかないという設定なので、どうしてもドラマ『ブレイキング・バッド』を想像してニヤッとしてしまいました。

 

スカイライン -奪還-

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前作の『スカイライン -征服-』がちょっとアレな出来だったので、続編があることにまずビックリ。冷やかし半分で観に行きました。
で、観た結果、あのヘンテコな映画は確信犯的に作ったヘンテコな映画だったのか、それとも本気でこういうヘンテコな映画が作りたかったのか、さらに混乱してしまいましたw

ザ・レイド』が好きな人なら楽しめるかもしれません。うーん、でも宇宙人とシラットで闘う必然性はあるのだろうか。考えたほうが負けなのかなあw
前作同様変な魅力というか、独特の面白さはあるような気がしますが…うーむ。

 

響 -HIBIKI-

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飽きずに最後まで観ることができたんですが、面白かったかと聞かれると返答にちょっと困っちゃうような映画でした。
場の空気をまったく読まない(読めない)価値観のぶれない天才が魅力的なのはわかるんだけど、主演の平手友梨奈さんにそこまでの説得力を感じなかったんですよね…。顔つきはとても良かったんだけども(だから顔のアップショットが多かったのかな?)。
あと、マンガが原作だからなのか、周りの俳優もちょっと大げさな演技や見せ方が多くて、どこにリアリティのラインを見い出せばよいのか掴みきれなかった。
特に北川景子の演技!あんな動きでしゃべる人いない。元がマンガだとしてもひどい(ごめんなさい)。

あと、全然関係ないけど、ふかづめさんってこの主人公のような人なのではないかとちょっと想像してひとり楽しんでました(ごめんなさいw)。

 

ブッシュウィック-武装都市-

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ほんとごめんなさい。今月のワースト。
予告編でみた最初の地下鉄で燃えてる人が走ってきて、地上に上がるとそこは戦場でした!ってシチュエーションは面白いじゃない。でもなんでこんなつまんない映画になってんの?キャラクターがまったく立ってないというか生きてないし、話もほんとどーでもいい感じ。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で最高に魅力的なドラックスが、なんでこんなニット帽被ったみすぼらしいキャラになってんだぁぁぁ!もっとキャラの良さを引き出さなあかんとちゃうのぉぉ?!せやろがい!

 

ピッチ・パーフェクト ラストステージ

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ピッチ・パーフェクト』好きなんです。アナ・ケンドリックもちょっと好きなんです。当然『ピッチ・パーフェクト2』も観ました。
で、今回はというと、まあ相も変わらず同じ映画でしたw
いや、同じどころかもうこれまでの設定無視しまくったスパイアクションまで盛り込んでてシッチャカメッチャカです。
お下品でバカバカしいのが楽しい映画とはいえ、1作目のほろ苦青春ストーリーの良さはもう跡形もなく消えて残ってないですねw
でもなんだかんだ言っても歌の部分はカッコいいし楽しいです。
もうひとつ良かったのは、ガールズバンドのリーダー、ルビー・ローズがカッコ良かったことですかね。アナ・ケンドリックルビー・ローズも顔が尖りまくり。
あと、まさかのジョン・リスゴーがw
ビール飲みながらゲラゲラ笑う映画ですね。

 

さて、今年も残り2ヶ月。あとどれくらい新作行けるかな。
来年はたぶん大幅に新作観る回数減ると思うので、今年はできるだけたくさん見ておこうと思います。

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オークワフィナ姉ちゃん。これにも出てましたね。

オーシャンズ 8(字幕版)

オーシャンズ 8(字幕版)

 

 
ヴェラ・ファーミガ、いろいろ出てます。

死霊館(字幕版)

死霊館(字幕版)

 
エスター (字幕版)

エスター (字幕版)

 

 
ピッチ・パーフェクト』まだ観てない人は1作目だけで十分かもです。

ピッチ・パーフェクト (字幕版)
 

 

search/サーチ

予告編見て面白そうだと期待していた映画!良かったです〜。

https://eiga.k-img.com/images/movie/89573/photo/1443a351ea1ebfd2.jpg?1532652445

search サーチ : 作品情報 - 映画.com


売りは「100%すべてPC画面の映像で展開する映画」!

厳密には「それPC画面じゃないだろ〜」とか、ちょっと無理やり感もなくはなかったのですが、それはまあアラ探しの範疇。普通に観てたら「最初から最後までPC画面で完結する映画」と思って間違いないです。

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PCオタク版『96時間』

ある日、突然消息がわからなくなった娘を、PCやネットサービスを駆使し、執念で探しまくるパパが主人公。

このパパ(ジョン・チョー)はPCやネットリテラシーがなかなか高い。

Windows XPの頃からすでに家族の思い出はPCで管理しており、子供にも小さい頃から専用のアカウントを用意するという英才教育っぷり。
娘のおともだちの情報もWindowsのアドレス帳で管理させてるし、スパムなポップアップで埋め尽くされるネットゲームにも果敢にチャレンジさせるw

妻や子供の思い出動画をクラウドにアップするのは今では当たり前ですが、YouTubeサービス開始当初あたりと思われる頃から早々とネットにアップロードまでするほどの新しもの好き。

今はもうイケてないWindows(ごめんw)はすでにお払い箱。すっかりApple製品に鞍替えし、娘との連絡もMacbookのメッセージアプリでスタイリッシュにこなす。タイピングもおそろしく速い。

そんなパパなので、娘のMacbookのログインパスワードも易易と解除してしまいますが、たまたまパスワード書いたメモがあったとか、実は凄腕のハッカーだった、なんていうご都合主義ではなく、ちゃんと実際の手順を使って「これならありえるな」と思わせる設定になってるとこが素晴らしい。

リーアム・ニーソンのように「実は超人パパだった」ではなく、あくまでごく普通のPC好きなパパが、執念だけで事件の謎を解き明かしていくところが案外嘘くさく見えなくてリアリティを感じました。

全編PC画面ですが…

観る前は確かに「全編PC画面なんて、話題性だけで厳しいんじゃないかなー」と思ったんですが、いやいや、とてもよく考えられていて、ほぼ飽きることは無かったです。

PC画面を使うという手法は『アンフレンデッド』というホラー映画がすでにやっていたのである程度の想像はつきましたが、それでもGoogleFacebookYouTubeInstagramTumblrなどの実際のメジャーなサービスをふんだんに使っているので、知っていれば知っているほど面白いし、それらを最大限に活かしたアイディアや小技がとても効果的でした。

PC自体の特性も、状況説明や主人公の心情を表現するのにうまく使ってて、下手な役者に演技させるよりもずっと主人公の不安や戸惑いが伝わる演出になっているのも良かった。

例えば(昔からよく使われる手法ですが)いったん書いたテキストを送信しようか迷ってから、結局デリートキーで削除して書き直すことで主人公の迷いや心情の変化を表現したり。
あるいはマウスの動きやウィンドウの切り替えで主人公が注目している部分を強調・説明したり。
スクリーンセーバーを表示することで睡眠中であることを表現したり、デスクトップのファイルがいつのまにか乱雑に溢れかえっていることでの時間経過や主人公の焦り・苦悩を表現していたり。
枚挙にいとまがないほどに小技が効果的に使われてて、見てて全然飽きないのです。

おそらく監督や制作スタッフはPCやネット 大好きで、愛情すら感じました。

まあ、普段PCに触れているからこそ伝わる演出とも言えるので、PCやネットに疎すぎる人にはもしかしたらピンとこないかもしれませんが…。 

ミステリー/サスペンスとしてもよく出来ている

PC画面だけ、という変化球だけで勝負しているわけじゃなく、純粋にミステリーやサスペンスとしても良く出来ていると思います。

細かい伏線もたくさん入ってるし、回収もの仕方もうまい。ミスリードする演出で、自分のような素直に展開を追っていくような人だと、まんまと驚かされたり騙されたりするんですが、勘の良い人だと先は読めちゃうかもしれません。

この辺はネタバレになっちゃうので詳しくは書きませんが、これ、脚本(ストーリー)だけを持ってきて普通の手法で撮ってしまうと、どうなんでしょうかね。

腕のある監督や撮影監督であれば、それなりに面白い映画に仕立てられるかもしれませんが、もしかしたら、「まあ、よくある展開だよね」で終わっちゃいそうな気がしないでもないです。

やはりPCやネットの特性を上手く使った見せ方が効果的に機能したサスペンスなんだと思います。

 

あと、ネット社会に警鐘を鳴らすとか、SNS批判とか(エマ・ワトソントム・ハンクス主演の『ザ・サークル』のような)ウザいテーマは入ってないのも好感持てました。

ちょっとした風刺や皮肉はありますが、どちらかというとギャグとして笑えるものでした。

家族の物語

でましたねw 家族の物語。
この映画の重要なテーマです。

もうね、冒頭部分で早々と泣かされてしまいます。説明セリフはほとんどなく、PC内のアクションだけでこの家族の歴史が語られて、そこも良く出来ているのですが、ちゃんとジーンときますよ。

あー、もうこれ以上は何も言えないなぁ…。

 

主役がアジア人というのも効いてますよね。

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これが、有名白人俳優だったらだいぶ別モノになっていたかも。
FaceTimeでの顔アップが多いので、このジョン・チョーさんの困り顔が妙にハマってるというか。親近感湧きまくりで好感持てました。

いずれは陳腐に…

コンピュータやネットのテクノロジーは日進月歩、いや秒進分歩ってくらい凄まじく変化し続けているので、10年後くらいに観たらかなり古臭い映画になっている可能性がありますよね。

でも、だからこそ時代の文脈を読み取る記録としても、こういう映画は意味があるんじゃないかと思ったり。今リアルタイムで観ておくことで、あとあと思い出すと面白いかも?

ただ、これDVDが出て、自宅のMacで再生したら、相当変な画面になるかもしれませんね(笑)

 

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余談。

 監督のアニーシュ・チャガンティさんは、インド系アメリカ人で、Googleグラス(メガネにカメラを仕込んだGoogleの壮大な失敗プロダクトw)で撮影した動画がGoogleの目に止まり、GoogleのCM制作担当に抜擢されたそうです。

その作品がこちら。 


'Seeds' - a short film via Google Glass by Ginger Times

 ほんの2分ほどのビデオですが、とても素晴らしい。
これを見ると、『search/サーチ』の原点という気すらします。

 

実は私ちょっとだけPCオタク。

仕事でもMacWindowsフロッピーディスクモデルの頃から使ってたし、Windowを経て今はMacbookiPhoneを愛用しているので、ほぼこの主人公と同じ経歴とも言える。

冒頭に出てくるWindows XPは、当時のブラウザや当時のGoogleロゴを再現してて、そこはもうオッサンの特権としてニヤけながら見てましたw

それもあって、たぶん2〜3割増しで楽しめたと思います。 

とはいっても、主人公のパパと一緒で今どきの新しいサービスにはもうあまりついていけないんですけどね(YouCastとか知らんかったし)。

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 これも結構面白かったです。が、最後がグダグダだった記憶が。

アンフレンデッド(字幕版)

アンフレンデッド(字幕版)

 

 

 SNS社会の恐怖を描きたかったようだが、終始、失笑する映画だったw アンオススメ。

ザ・サークル(字幕版)

ザ・サークル(字幕版)

 

 

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

 

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バッド・ジーニアス 危険な天才たち : 作品情報 - 映画.com

読者登録してるKnoriさんとこで映画の感想を書くことについての悩みについて書かれていて、ちょっぴり共感しました。

映画感想文のメタ孝 - knoriのブログ

自分も心(脳)に受けた「モヤモヤ」を書いたり伝えたりしたくなります。すごく表面的なものですがw

いつも色んな人の映画評、レビュー、感想を読んで刺激をもらったり、自信をなくしたり、嫉妬したりで、なかなか自分が書くとなると勇気が要ります(砂漠の砂粒のひとつとは言え、一応全世界の前に並べているわけですから)。

自分は毎回勢いとノリと直感で根拠のない自信を絞り出して書いてます。テンプレートやメソッドはありません。

小心者なので、バカと悟られないよう、できるだけ難しいことは書かないというガードも忘れてませんがバレてます。

そんな直感ノリ重視のバカな私が、ジーニアスについての感想を書かせて頂きますw
(ネタバレも最後のほう書いてます)

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ジーニアス。憧れますよねぇ。

人は自分に無いものを持っている人に憧れる、なんてよく言いますよね。自分はまったくそのタイプで、特に知的な人に割と無条件に憧れます。バカだけに。

知的とひとことで言っても色んな解釈があるわけですが、単に勉強ができる=試験の点数が高いってだけでも、それはそれで尊敬の眼差しです(さらに性格が控えめな人だとノックダウンされます。女性だと確実に惚れます)

この映画は、裕福ではないけど小さいときからオールAの天才的な女の子リンが主人公。
もうね、このリンちゃんの面構えがすっごくいいんですよ。一見素朴で清楚かと思いきや、何やら隠し持った不敵さや強さが顔ににじみ出てて。

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しかも、9頭身?という超モデル体型(実際モデルさんだそう)で凛々しい迫力まで備わってます。ちなみ名前はチュティモン・ジョンジャルーンスックジン。絶対覚えられませんわw

 

リンちゃんは特待生として入学した進学校で、金持ちのバカップル同級生に「高いギャラ払うからカンニングさせて!」って頼まれて金儲けの味をしめ、ついには世界共通の大学入試試験というミッションインポッシブルなカンニングにその頭脳を駆使して挑む…というお話。

もう、予告編見ただけで面白そうでしょ!?自分はすぐにビビッと来ましたよ。これは面白い映画に違いないと。

んで、その期待通り、いや期待以上に面白い映画でした。「面白い!」なんて陳腐な表現ですが、ほんとにすっげー面白かったんですよ!

 

あ、そうそう。この映画はタイの映画なんです。

タイといえば、トニー・ジャーでお馴染み『マッハ!!!!!!!!』シリーズですよね。あれも理屈抜きに「すっげー面白い!」映画でしたが、まあでもちょっと稚拙なとこもありましたよね。映画の作りとして。

でも今作は、完璧とは言いませんが、細かいところまで練りに練って考えられた映画だと思いました。監督もジーニアス!

まずオープニングの校長先生との面談で、主人公の少女が裕福では無いことや、お金にしっかりしていること、気の弱そうなお父さんが付き添っていることで父子家庭であること等の状況が一発でわかるようになってます。

有名進学校ならではのお金持ちのバカ同級生がいたり、友達を助けたいというやさしい面を見せたり、その金持ち学生の親からの寄付(ワイロと表現)を求めている学校に対する幻滅など、少女がカンニングに手を染める動機もしっかり積み重ねて説明されています。

 

この映画、前半はかなりコメディタッチで描かれていますが、後半のカンニングシーンは手に汗握るサスペンス!映画サイトではタイ版『オーシャンズ11』、『ミッション・インポッシブル』なんて表現されているくらい。いわゆるケイパーもののスリリングさが非常に良く出来ています。

ほんとカンニングシーンは緊張感がハンパないです(ただちょっと長い(くどい)なぁと感じるとこもあったけど。あとアップのシーンが多過ぎ?)。

思うんですが、試験なんて誰でも経験していることのほうが、スパイや窃盗団なんて現実味の無い設定よりも感情移入しやすくてドキドキするのかも?
 

と、ここまではまあよくあるハリウッド映画で育ったアジアの監督が作ったよく出来た面白い映画、で片付けられちゃいそうなんですが。
実際、監督は『ミッション・インポッシブル』が好きで、カンニングに置き換えて作ってみたってインタビュー記事にも書いてました。

例えば多くのインド映画だって、ハリウッド映画をベースにしていますよね。
ただ、自分たちの文化に合わせて再構築して作り直しているから、唯一無二の面白い魅力が生まれているわけじゃないですか(違ったらごめんなさい)。

韓国映画にしろ香港映画にしろ独自の文化や価値観が根底に反映されているのが魅力だと思うんですよね。

ではタイ映画であるこの映画の魅力は?

自分は「道徳的でやさしい」ではないかと感じました。

だって「微笑みの国」なんて言われている国だし、人の良い親切な国民性らしいじゃないですか。行ったこと無いけど。

(こっからネタバレ…)

カンニングを犯罪に見立てたコメディチックなサスペンスだと、学校や制度(体制)側の鼻を明かしてスカッと終わり、なんて軽い話で終わりそうなもんですが、この映画はそうはなってなく、後半はむしろ重苦しい話になります。

クライマックスのカンニングシーンも前半のような軽快さはいつの間にか無くなって、非常に胃が痛くなるような苦しみとして表現されてます。

そして、結果的に友人をダークサイドに落としてしまった主人公は、犯した罪の大きさに直面し、自分自身に自問自答し、苦しみ悩みます。

そこで救ってくれたのは、冒頭にでてくる冴えないお父さんのやさしさなのです。最後の最後に正しさに向き合ったとき、本当のヒーローはお父さんだと気がついた、という映画になってたんです。ベタですがちょっと意外でしたし、魅力にも感じました。

あのお父さんの仏のような顔といったらもう。あの表情に勝手に自分はタイの人のやさしさを見てしまいました。
ああ、ああいう心底やさしい人間になりたいなあと(持ってないものに憧れるタイプw)。

大体この映画の中に、邪悪で意地の悪い主要人物はほぼ出てきません。校長先生だってすごくまともな人だし。一番おっかないのは試験会場にいる欧米人の試験官のオッサンだったかもw

そうそう、『マッハ!!!!!!!!』だって道徳的な話じゃないですか。トニー・ジャーも強いけどすごく朴訥としたやさしい青年なのが魅力だし。悪いのはたいてい欧米人になってるし(無理やりw)。

 

あたかもコメディタッチのクライムサスペンス風に宣伝してますが、これは青春映画であり家族愛を描いた映画なんじゃないかと感じました。

 

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 マッハ!は最初観たとき衝撃だったなー。

マッハ ! プレミアム・エディション [DVD]

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未見ですがカンヌでパルム・ドールを受賞したタイ映画もあります。今度見てみよう。 

ブンミおじさんの森(字幕版)