今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

フェリーニのアマルコルド

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/10/Amarcord_2.jpg

フェリーニのアマルコルド - Wikipedia


8 1/2』に続き、調子に乗ってもひとつ観たのたが、これはまた全然違う映画であった。

seymourgw.hatenablog.com

 

8 1/2』(1963年)からちょうど10年後の1973年公開なので、映画もモノクロからカラーになっていたが、『8 1/2』のスタリッシュというか尖った映像とはちょっとかけ離れたぼんやりした画面という印象。色合いが素敵というわけでもないし、何よりあの手品のような見せ方がほとんどなかった。

しかし。

今作は映っている人たちがメッチャクッチャ濃い!濃すぎ!
例えて言えば、マツコ・デラックス、どんだけ〜の人、ムロツヨシ片桐仁みたいな人たちばっかり集めたようなキャスティング(全然例えられてない気もする)。マストロヤンニはおろか、カルディナーレもエーメもいない(ディヴァインみたいな人はいる)。

 

名もなき市井の人たち、それもとびきりキッタナイおっさん、ソバカス少女、すぐキレるマリオ顔の父ちゃん、馬鹿ばっかりのクソガキたち、胡散臭い司教、ファシスト、たばこ屋のディヴァインw、まだまだてんこ盛り。この街一番の美人とされているのはソフィア・ローレンの出来そこないみたいなおばちゃんだし。

 

そんな人たちが住む街に春の気配が訪れるところから話は始まる。よくわからないが、この街では綿毛が飛び始めると春が来るらしい。

前述した濃い人たちの日常のエピソードが脈絡あるのかないのかよくわからないまま、淡々と盛り上がりそうで盛り上がらず、何かが起こりそうで起こらない。ドラマチック要素があるようで無い。いや、ドラマチックにわざと描いてないのだろう。なのでどーしても退屈に感じちゃうんだけど、ギリギリのとこでまたエピソードが唐突変わるので、いつの間にか時間が過ぎて、気がつくとこの街の人たちの、というか誰にもある(あった)何気ない日常を追体験させられてしまったような感覚になる。

夏が来て、秋になりまた冬が来て、冒頭の綿毛がまたもや舞い、この街の人々の1年間が過ぎていく。 見終わると、あのどうしようもなく濃い人たちのどうしようもないエピソードが愛おしくなっているから不思議。

 

こういう構造の映画って他にもあったような気がするけど思い出せない。強いてあげるとすればリチャード・リンクレイターの『ビフォア・サンライズ』を観たときみたいな感覚かな。

好みで言うとあまり好きではないし、もう一度観ようとは思わないけど、頭や心の中を素通りするような映画ではないのは確か。

そんな感想でした。

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8 1/2

名前くらいは当然知っているが、フェデリコ・フェリーニの映画はこれまで一本も観たことはありません。

若い頃からずっとエンタメ性を映画に求めていたので、この手(どの手?)の映画はご多分に漏れず「難解で退屈だろう」という偏見により優先順位はどうしてもあと回しになっていたんだけど、Amazonプライムのシネフィルなんとかチャンネルのお試し期間がロクに利用しないまま終わりそうだったので、この半強制自宅軟禁状態を利用して軽い気持ちで観てみました。

 

他にも『フェリーニのアマルコルド』『道』とあったのだけど、変なタイトル(はっかにぶんのいち)なのと、マルチェロ・マストロヤンニのカッコいい画像で選びました。どういう映画なのか、まったく前知識ナッシング。

https://eiga.k-img.com/images/movie/53757/gallery/1_large.jpg?1396889178

映画.com

感想
「え、こんな映画だったの?思ったより全然面白かった!」

 

ただし冒頭からしばらくはやっぱりよくわかりません。たぶん多くの人は「何これ?難解なアート映画?」って思うはず。

でも、最初っから映像がとにかく面白くて、新鮮!とても50年以上も前の映画に見えません。
いきなりワーグナーワルキューレの騎行地獄の黙示録やブルースブラザーズで有名なあれ)が唐突に流れるし、モノクロ画面も美しいのでついつい引き込まれてしまいました。なんかね、白トビしてたりするんだけど、マストロヤンニの黒いサングラスやスーツがめっちゃビシッと締まってってキレイなんです。モノクロだけど、仮にカラー版があったとしても、おそらく美しさは変わらないんじゃないかな。それくらい気を遣っているように感じました。

ストーリーは、最初はなんだかよくわかんないんだけど、主役の映画監督(マストロヤンニ)が、思ったように映画製作ができない現実と、そこから逃避するための妄想の狭間を行ったり来たりするというお話。

なんだか『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』みたいな映画かなと思いました。

小難しい映画でもなんでもなくて、ほぼコメディ映画みたいなもんです。途中で何度か大笑いしました。監督の妄想がひどすぎてw どんだけ都合良いこと考えているんだお前!って。

いや、この映画の面白さは、何と言っても映像のほうですね。ストーリー(セリフ)をちゃんと追わずにぼんやりみてても、映像だけでも面白いんです。ほんと。

あまりカット割りが無くて、カメラが動きつつも対象になる人やモノが次々に変化するのがとっても面白い。なんだか手品を観ているような感覚。ほら、手品師って花が手もとから一輪、また一輪と出して、終わりかと思ったら最後にハトがバッと飛び出てびっくり!みたいなあの感じというか(伝わらないかなw)。

2時間超えの長い映画なんだけど、最初から最後までずっとこういう見せ方の工夫がすごくて、まあ飽きない。子供の影を追いかける母親の影が壁にかかるシーンは思わず「おお!」と声がでました。

あと、ビックリしたのが、映画監督の友人が女性と二人でダンスするシーンがあるんだけど、それが『パルプ・フィクション』のトラボルタとユマ・サーマンのあのクラブでのダンスシーンそっくりで、ここでも思わず「パルプ・フィクションかよ!」って声がでちゃいました。いや、タランティーノが真似したほうなんですけどねw あんたパクりすぎw

この映画監督(マストロヤンニ)は、当然ながらフェデリコ・フェリーニ自身を投影しているんだろうな。映画監督ってこれくらい周りがやかましくてプレッシャーがあって、そして恐ろしいくらい自分勝手な妄想をしているんだろうか。

ラストはほのぼのというか、人生万歳みたいな感じで、ちょっと『蒲田行進曲』を思い出しました。

 

で、観終わったあとに、この映画についていつもの町山さんの解説を聞いてみたら、デビッド・リンチテリー・ギリアム、タイトルだと『バートン・フィンク』『ビッグフィッシュ』『未来世紀ブラジル』『ライフ・アクアティック』などなど数え切れない映画が影響を受けているとのこと。なるほど、言われてみれば確かにねぇ。バードマンや蒲田行進曲なんてのしか思い出せないなんて、まだまだだなあ・・・w


調子に乗って、『フェリーニのアマルコルド』も観てみようかな。

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8 1/2 (字幕版)

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影響を受けたであろう映画

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ビッグ・フィッシュ (字幕版)

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バートン・フィンク (字幕版)

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パラサイト 半地下の家族

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はてなブログっていろんな機能があるんすね。
前回、久しぶりにブログ書いたらスターを付けてくださったpopmusik3141さんのアイコンにマウスを当てると記事の一部が引用されててビックリしました。


↓↓↓こんな感じ。わかります?

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引用したいテキスト部分を選択した状態でスターを入れるだけ。もしかしてはてなブロガーなら常識?知らんかったー。面白かったので何人かの記事にさっそく引用スターいれておきました。気づいてっ!w

 

さて今年の一発目はポン・ジュノの新作。まあこれは観ておかないとねー。
(決定的なネタバレ無しですが、それとなく重要なことも書いてます。それに観てないとなんのこっちゃって感想です!)

 

ポン・ジュノ作品、有名どころはとりあえず観てます。
殺人の追憶』や『グエムル』は韓国映画の面白さに目覚める入口だったかも。逆にハリウッド資本になった『オクジャ』や『スノーピアサー』はなぜだか平凡になっちゃった印象。一番印象深かった作品は『母なる証明』。映画館で1回観たっきりなんだけど、今でも色んなシーンが妙に生々しく思い出せる。ラスト(オープニング)のおばちゃんの不思議ダンスなんて誰もが忘れられないシーンなんじゃなかろうか。


今作はオール韓国俳優に韓国ロケ。やっぱりこっちのほうが良いと思う。これまでの作品の中でもトップクラスに面白かった。
ただ、あちこちで「何も知らずに観たほうがいい」とか「予測不能な展開に驚愕」とか煽るもんだから「いったいどんなスゴイことが起こるんだ!」って気負いすぎたかも。映画鑑賞は外野に惑わされずサラッといきたいですね。


半地下、下町、山手、段差、階段、 と格差社会を自分レベルでもわかりやすく上下をうまく使った映像で説明してくれます。中でも印象的だったのは「匂い」を使った演出。こういうふうに使うのか!っとビックリするやら納得するやら。あの感覚はすごいわかる。自分もどちらかというと匂いにはガサツというか無頓着なほうなので、会社には念の為に消臭スプレーいくつか置いてますからw

 もひとつ印象的だったのがソン・ガンホ演じるお父さんの「計画なんて立ててもその通りにならないから立てるだけ無駄」というセリフ。やれ目標を立てろだの、お金持ちが実践してる習慣だの、自己啓発本セミナーが蔓延している昨今の風潮(アメリカや日本が顕著?)に強烈なカウンターを当ててきます。個人的にはがんばらなくてもつつましく楽しく暮らせる社会がいいんじゃない?って思うんだけど、あの家族は頑張っても頑張らなくてもひどい目に合うしかない諦め、みたいな言葉に聞こえた。つらい。

ラストの展開は人によって感じ方とか違ってくるんじゃないかなあ。安易に希望を見せないところは個人的に良かったと思ってるけど。やるせなさやそこに自分も踏み込んでいってるんじゃないかという恐怖を感じました。

コミカルなのに考えれば考えるほど後味悪いよこの映画。ポン・ジュノの映画はみんなそうか。『万引き家族』も。まだ観てないけどケン・ローチの新作とか連続で観たら立ち直れなくなるかも。

ところで桃アレルギーってほんとにあるの?

 

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ポン・ジュノ作品 私のベスト・ワン

母なる証明(字幕版)

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有名どころ。

グエムル-漢江の怪物-(字幕版)

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殺人の追憶(字幕版)

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ハリウッド進出もの。

スノーピアサー(字幕版)

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  • 発売日: 2014/06/07
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www.netflix.com

 

愛用している消臭スプレーはこれ。おすすめです(笑)