今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

あのこは貴族

門脇麦ちゃんの清楚でお嬢様的な佇まいが好きなので、映画館に貼られていたポスターにつられて観てきました。

今回は、まさにお金持ちの箱入り娘という適役で、ほんとうにそういう育ちの人なんじゃなかろうかと思うほどハマっていたと思います。

 

東京のいわゆる上流階級の娘として育ち、世間知らずにもほどがある門脇麦
かたや地方出身で努力を重ね慶応大学に合格するも、金銭的な問題により中退し、キャバクラで食いつなぎながらコネを使って企業に勤めている苦労人の水原希子
まったく接点のなさそうな二人をつなぐのが、トップ・オブ・ザ上流階級の高良健吾
というお話(原作は山内マリコさんの小説)。

思ってたよりずっと面白かった。

エンタメでは無いし、メロドラマでもドラマチックな展開もほぼ無い、かなり落ち着いたトーンの映画。
人物の微妙な動きや表情、繊細なカメラの動きや、ところどころに含まれるドキッとするようなセリフなどで見せていくような感じなので、集中して鑑賞できる映画館で観てよかった。DVDや配信を待ってたら、自分の場合おそらくホゲ~っとスマホをいじったり、隣で家族がギャーギャーうるさかったりで、あまり頭に入ってこなかったかもしれないw

映画って、なにかしら非現実的な世界を味わえるのが楽しいじゃないですか。宇宙に行ったり、巨大ザメに襲われたり、高層ビルでテロリストと戦ったり、知らない外国の生活を感じたり。
この映画は、同じ日本(東京)に住みながら、本当に生息するのかどうかもわからないような富裕層の生態が見られるという点で、主人公にまつわるパートはとても楽しめた。まあセレブの生活を覗き見するような下世話な興味なのですが。

https://eiga.k-img.com/images/movie/91088/photo/290706dbe1dccbc9/640.jpg?1612233025
このシーンはみどころでした。

(C)山内マリコ集英社・「あのこは貴族」製作委員会
あのこは貴族 : フォトギャラリー 画像(16) - 映画.com

 

そういう意味では、我々一般人側である水原希子のパートは、「ああ、そういう感じだよねどこも」と共感しつつもちょっと退屈だったし、厳しくてうんざりするような現実をわざわざ見たくもないなあと思ったり。まあ対比だからしょうがないけど。
ただ、一点だけ違和感があって、水原希子(あまり知らないけど)は圧倒的なモデル体型や独特の存在感が隠れてなくて、もうちょっと対比としては見た目を落としても良かったんじゃないかと思わなくもなかった。
結婚する予定の門脇麦の前にあらわれた、高良健吾とつきあっているらしき水原希子門脇麦水原希子がついに出会う(邂逅)シーンでは、普通に考えると修羅場というドラマチックな展開になると思きや、そうはならず、この映画のテーマらしきセリフを持って意外な展開になっていくのが面白いなあと思った。


この映画は、ほぼ女性の視点で描かれており(監督も女性ですし)、最初からずっと家族や世間や社会のなかで、女性が普段投げかけられる理不尽なことがさらりと仕込まれている。ジェンダー問題にうとい男性にとって、ハッとさせられるようになっている。
ただ、この映画が面白いのは、強い立場の男性側である高良健吾もまた、自由に生きていられない虚しさや諦観があるようにも描かれていて、そこもまた面白いなあと思った。


あと、高良健吾は「雨男」という設定で、とにかく何かにつけ雨が降るのだが、雨のシーンにも色んな表情があってそれも良かったな。ラストはちゃんと晴れてよかったね。

いっつもポップコーン映画ばかり好んで見ているけど、たまにはこういう映画も悪くないなあ。

あ、ところでタイトルはなんで貴族なんだろう。貴族って皇族に関わる家系とかそんなイメージなんだけど、上流階級とかじゃだめなのかな。ありきたりでインパクトないと思ったのかな。

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あのこは貴族 (集英社文庫)

あのこは貴族 (集英社文庫)

 

 原作小説を書いた山内マリコさんはWikipediaによると富山県出身とのことなんだけど、劇中で水原希子が帰省する街のシーンで遠くにきれいな山脈が見えるのだけど、あそこは富山県なんだろうか。

 

愛の渦

愛の渦

  • 発売日: 2014/11/09
  • メディア: Prime Video
 

 まじめそうな門脇麦ちゃんのセックスシーンが拝めます。映画はつまんなかったな・・・すまぬ。