2017年2月公開の観たい映画
早いことに来週からもう2月。
映画.comの「公開予定スケジュール」2月のリストからピックアップ。
◎観る! ◯できれば観たいな △興味あり という感じで。
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◯ マリアンヌ
ロバート・ゼメキス監督の新作だしなあ。やっぱ観たい。
ブラピとマリオン・コティヤールという贅沢な感じ。
◯ グリーンルーム
町山さんオススメ作品。面白そう。
地元公開いまのとこ予定なし…。
たまにはこういうほのぼの系もw
俳優が良さそう。なんとなく。
地元公開いまのとこ予定なし。
△ セル
スティーブン・キングだし一応…。
でも予告見るとケータイ(セル)で人が狂うとかキングスマンのパクリ?w(サミュエル・L・ジャクソンも出てるしねw)
ダラス・バイヤーズクラブの監督ということで。あと安定のジェイク・ギレンホール。
地元公開いまのとこ予定なし。
実話なのに内容が超面白そう!これもたしか町山さんが紹介してたような。
しかし、地元公開いまのとこ予定なし。残念。
◎ ナイスガイズ!
これは絶対観る!!地元でも公開決定!やったー。
△ みうらじゅん&いとうせいこう 20th anniversary ザ・スライドショーがやってくる!「レジェンド仲良し」の秘密
いとうせいこうはあまり興味ないけどMJの話は面白そうだし。気が向いたらくらいでw
地元公開いまのとこ予定なし。
△ バッドガイズ!!
今月はガイズシリーズ?w
悪徳警官モノでマイケル・ペーニャときたら観るしかないか。
地元公開いまのとこ予定なし…。
◎ ラ・ラ・ランド
これは鉄板でしょう!あのセッションの監督だしエマ・ストーンも大好きだし。
アカデミー最有力候補。ただミュージカル苦手なのでちょっとだけ不安あり。
とりあえず2月はナイスガイズ!が超楽しみ!
ライアン・ゴズリングだらけ。
さほどエロくはなかった『ジムノペディに乱れる』
使い切れないほど余りまくっている有給休暇を久しぶりに取り、午前中ちょっとしたヤボ用を済ませ、ショッピングセンター屋上駐車場で昼メシ食べて、スゲー良い天気でポカポカ暖かくてちょっと30分くらいクルマの中で寝て、それでもまだ時間が余っているので映画を観に行くことにした。
シネコンをチェックしても観たい映画が無かったのでミニシアター系をチェックするとチャウ・シンチーの『人魚姫』やってる!
でも19時の回でまだまだ時間があるので、一番近い時間の『ジムノペディに乱れる』とまとめて2本観ようと決める(意味もなく長い前置き…w)。
日活ロマンポルノのリブートプロジェクトというやつらしく、5人の今どきの売れっ子監督がそれぞれの思いで作品を撮るという企画もの。ネット記事でちょいちょい見かけてたし、ちょっと興味はあった。
この『ジムノペディに乱れる』は行定勲監督の作品。
映画.comによると、
1971~88年に製作され、一定のルール内で撮影するという特質を有した同レーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る」「70~80分前後の上映時間」「全作品が同じ製作費」「撮影期間が1週間程度」という条件のもと、17年間に約1100作品が継続して公開された。
「ロマンポルノ」リブート、28年ぶり新作の本編映像初披露! : 映画ニュース - 映画.com
とのこと。
自分は当時の日活ロマンポルノは(当然?)映画館で観たこと無いし、ビデオも含めて未体験。
この映画も確かに10分毎に濡れ場があったし、いかにも低予算で急いで撮ったような映画だったけど、コンセプトが理解できていれば「なるほど」という感じで楽しく観れると思う。
ところで「ジムノペディ」って何?って思う人も多いと思うけど、エリック・サティの名曲のタイトルのこと(自分は映画観るまでなんのこっちゃ?だった)。
印象的なピアノのフレーズを聞けば、ほとんどの人は「ああ、あの曲か」ってわかると思う。
主人公の男は、昔は評価された作品を撮ったこともあるが今は冴えない映画監督(演じるのは板尾創路)。
映画が始まってすぐに登場するお隣さんの女性がとてもエロく「おお!ロマンポルノ!」って感じでいきなりワクワク感が高まる。次に昔の恋人だったらしい仕事仲間の人妻とホテルで濡れ場が始まる。
と、ここまでは良かったんだけど、そのあと映画が進むにつれ、どんどん女優さんが若くなって、エロさがトーンダウンしていく(オッサンなので若い子とかに色気とか感じないというのもあるけどw)。
いや、女優さんのせいではなくポルノというよりどんどんコメディタッチが強くなっていく。ポスターや予告編見て、なんとなく気取った映画なのかなと思ってたけど、結構笑えるシーンがいっぱい用意されている。
そしてだんだんと主人公のバックストーリーが見えてきて、物語にも引き込まれていく。
最後はこれまでの主人公のセリフや行動が回収され、ポルノだけではないロマンス映画にちゃんとなってて「なるほどなー」って感心したけど、あのラストカットは無いかなーって思った。きっとわざとなんだろうけど、あまりに古臭い感じがして思わず苦笑いしたw。
ところで、板尾創路さんは声がすごく良いね。結構聞き惚れちゃった。
あと、途中、主人公の教え子らしきチャラい男が出てくるんだけど、こいつがまたイラッとするけど面白いw。
一番笑ったのは、ある男女の濡れ場シーンで大工道具(映画撮影所だからセット用の道具か)を使ってプレイするところ。
あの道具って今でも使われているのかな?たぶんあれが何だか知らない人もたくさんいると思う(観てない人には何の事やらでごめんなさい)。
冒頭に書いたように、思いつきであんまり期待しないで観たので、これはこれでとても楽しめる映画だった。このプロジェクト企画が面白いと感じるならオススメかも。
白石和彌監督の『牝猫たち』もちょっと観てみたい。
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そして、本当はメインで観たかったチャウ・シンチーの『人魚姫』。
なんと開始時間を見間違えてて、チケット買おうとしたらすでに始まってたので観るの諦めました。なんというオチ(笑)
結構エグかった…『沈黙 ‐サイレンス‐ 』
気乗りしなかったけど、話題作だし、スコセッシ監督だし…ということで観てきました。
一般公開日が金曜で、その翌々日の日曜日の15時くらいの回で観たんだけど、思ったより人が入ってねーってちょっとビックリした。
遠藤周作原作のキリシタン弾圧のお話ってだけで客層は限られるだろうし、若者が多い映画館っていうのもあったとは思うけどちょっと寂しいねぇ。地方だとこんなものかな。
気乗りしないのは遠藤周作の本ほぼ読んだこと無いというのもあるけど、「歴史に弱い」という情けない理由もあったりするw
でも、まあ日本人なら誰でもキリシタンのことは教科書で勉強するし、踏み絵くらいは誰でも知ってるよね。そんなレベルの自分でも特に困ることは無かった(と思ってます)。
余談ですが、最初の踏み絵のシーンで、後ろの方の席にいたアメリカ人の女性が思わず「Oh...No」って漏らしていましたね…。
結論から言うと、この映画や原作が持っているであろう重厚なテーマについては、正直よくわかんなかった…。そりゃまあ、言わんとしていることは何となく感じることもなくはないけど、自分に突き刺さることはなかったというか。
そんなスコセッシ監督が長年作りたかった思い入れのあるテーマ的な部分はいったん置いといてw、自分はこの映画、結構エンターテイメントととしてとても楽しめました。
上映時間162分もあるけど全然飽きない。あ、後半はちょっと飽きるかもだけど、そんな長い映画だったのかって観終わって気づいたくらい。
前半は未開の地(日本)に乗り込み、レジスタンスのような百姓さんたちとの出会いも面白いし、身を潜めながらの布教活動とかハラハラドキドキする。
つらい生活の心の支えとしてキリスト教ってのもよく伝わってきたし。
奉行所も極悪非道で、取り調べのシーンとかすごく緊張感高いし、処刑シーンもかなりエグい。特にあの火で焼くシーンとか…(エンターテイメントと言うのは憚れるけど…)。
教科書では、迫害とか踏み絵とか弾圧くらいのマイルドな言葉の表現だけだったけど、まあ実際こんなに非道なことが行われていたんだろうな、と映像でこんだけ見せられちゃうと、やっぱりインパクトがあるしハンパない恐怖を感じる。
イーライ・ロスの映画とかもっとキツい描写のもあるけど、やっぱり史実を元にしているだけによりリアルに感じてしまうのかも。
あと、日本人の役者とおそらく日本人スタッフがしっかり入り込んで作っているので、「ちゃんとした日本」の映画になっている。
だいたいハリウッド映画における日本の描写はアジアと言うか東洋でひとくくりな感じなので、どうしても興ざめしちゃうけど、この映画ではそういうことは一切ないと感じた(自分レベルだと)。
あ、でもロケ地はたぶん日本じゃないので、海岸線や山の中とかの風景はあんまり日本に見えない。サイパンとかそんな印象だったけど、霧が深い感じでうまくごまかしていてギリギリセーフな感じだったかな(実際のロケ地は台湾とのこと)。
何より日本の役者陣がすごく良かったなあ。
これはマーチン・スコセッシ監督の手腕なのか、役者陣やスタッフががんばったからなのかわかんないけど、わざとらしい海外向けの演技とか一切なくて、日本の役者がみんな良くて逆に日本人として誇らしく思った。
イッセー尾形とかホント最高の演技だなと思った。正直、リーアム・ニーソンよりもずっと良かったw
あと、主演のアンドリュー・ガーフィールドも悪くないけど、より特徴のある顔立ちの(馬面のw)アダム・ドライバーの方がいい感じだった。主演は逆にしても良かったのに。
いや、単純にアダム・ドライバーのくせになる顔つきがもっと見たかっただけなんだけども(カイロ・レンだとマスク被ってる時間長いしねw)。
でもまあ、なんだかんだ言ってもやっぱりこの映画のテーマである宗教について嫌でも何か考えざるを得ない映画ではありました。窪塚洋介演じるキチジローを見てつくづく宗教は罪深い面があるなと思ったし。
以前、NHKで歎異抄(たんにしょう)という仏教の本を紹介していた「100分de名著」という番組のことを書いたけど、まさにあの中で語られたことだなあと思い出した。
宗教には非常に差別性や暴力性が内包されていることもそうだし、ちゃんと段階を踏まずに都合の良い部分だけつまみ食いする大変なことになるよという部分は、まさにこの映画のキチジローのことだなと思ったし。
↓暇な人は読んでみてください。
そういえば、この前に観た『アイ・イン・ザ・スカイ』もこの映画も「究極の選択」が題材で、かつエンターテイメントとしても面白いってとこが共通しているな…。
なかなかヘビーな映画が立て続けで、次はもうちょっとゆるくて笑える映画にしたいかも。
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原作も時間があったら読んでみたいけど…。遠藤周作自信もカトリックでありながら矛盾を感じていたんでしょうかね。