今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

好きな女優さん:ソーラ・バーチ Thora Birch

ソーラ・バーチ(真ん中)

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名前だけ聞いても誰?ってなりそうなくらい知名度は低いかも。最近はとんと見かけなくなっちゃった。

おそらく『アメリカン・ビューティー』(上の画像)か『ゴーストワールド』に出てた女の子といえば、「あ〜、あの女の子」ってなると思う。

アメリカン・ビューティー』を観た時もソーラ・バーチの不思議な魅力に取り憑かれてしばらく気になってた記憶がある。
童顔というか子供っぽさが残る女の子が、胸(上半身裸)を思いっきり出してたのにもビックリした。
おでこがつるんとでかくて、丸顔で、ぽっちゃりしてて、足が太くて、不機嫌そうで…って文字にするとひどいんだけどw、でもあの魅力は唯一無二というか、他を探してもそうそういないんじゃないかな。

ソーラ・バーチが好きって言うと、下手するとロリコンに間違われそうなので、普段人には言いませんw

 

自分が決定的にソーラ・バーチを好きになったのは『ゴーストワールド』を観てから。生涯ベスト級に好きな映画のひとつ。特典付きDVDも買って持ってるくらい好き(笑)
確か公開当時は恵比寿にある小さな映画館で観た記憶があるんだけど、観終わった後にもうなんとも言えない気持ちになったのを今でも覚えている。DVDでも何度見返したことか。もしかしたらソーラ・バーチというより『ゴーストワールド』が好きなだけかもw
ま、映画の話はいつかまた書くとして。

ゴーストワールド』には今をときめく大女優のスカーレット・ヨハンソンが出てるんだけど、映画の中では圧倒的にソーラ・バーチの魅力が勝っている。
ポップでオシャレなファッションが今見ても新鮮で、たぶん美大系の一部の女子のバイブル的な映画になっているんじゃないかと思う。

あの十代のもやもやした心情と、それに反抗するかのような行動を取り続ける女の子を見事に演じています。


GHOST WORLD | Official Trailer | FilmBuff

 

当時はまだティーンエージャーだった彼女も今ではもう35歳らしい(1982年生まれ)。
画像検索すると、大人になってからのケバい写真がいっぱい出てきて、なんだかコレジャナイ感が強いw

日本のWikipediaによると2009年の映画出演で終わってて、もう映画に出ないのかなあ…と試しに英語版のWikipediaIMDbをチェックしてみたら、なんと最近のドラマや映画にもちゃんと出てるじゃないの!ちゃんと確認してないけど、日本未公開の映画ばっかりなのかな…。

最新作?の『Above Suspicion (2017)』という映画をチェックしてみたらこんな写真が!なんかすごくグッと来るいいショットじゃないですか!?これ(俺だけかもw)。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8b/Thora_Birch_-_Above_Suspicion_-_Production_Set_from_Set.jpg

Above Suspicion (2017 film) - Wikipedia

監督はフィリップ・ノイス。『パトリオット・ゲーム』や『今ここにある危機』の監督で、どちらも子役のソーラ・バーチが出てたし、今回の映画でも採用しているということは、よほど監督のお気に入りなのかも。
頼む。日本公開してくれ〜!

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プレミアム価格になっていてビックリ。コレ持ってます。

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 日本ではアメリカン・ビューティーのほうが有名ですよね。ケヴィン・スペイシーが若いよ!アネット・ベニングもでてるよ。

  

観た映画:女神の見えざる手

これはなかなか硬派な映画でした。

最初に断わっておきますが、この映画は思いがけない展開を楽しむ映画でもあるので、情報は最小限で観に行くことをおすすめしときます。

www.youtube.com

 超簡単に内容を説明すると、アメリカで銃規制法案を通すために、凄腕の女性ロビイストが敵も味方も関係なしに仁義なき闘いを挑む、というお話。

そもそも「ロビイスト」って何(どんな仕事?)って聞かれてもちゃんと答えられる自信はありませんがw
Wikipediaを見るとロビー活動ってある。あー、ロビー活動ならわかる(イメージできる)。俺ってやっぱりオッサンだ。昔はニュースやTVでよくロビー活動って言葉耳にしたよね。

たぶん日本にもこういうロビイストっているんだろうけど、あんまり一般的では無いと思うんだよね。
でも、そこはさすがアメリカ。まるで企業が会社の商品をヒットさせるために広告代理店にまるっとお願いする感覚で、政治家に通してもらいたい法案をあの手この手で実現するプロフェッショナルな集団(ロビイスト)にまるっとお願いする、という世界がフツーにあるようだ。

そして、実績のあるロビイストさんたちは、当然その世界では立場が強くなり、下手すると政治家よりも強くなってしまうかも…?そんな恐ろしい話でもある。

本当は、アメリカの銃社会や政治のバックグラウンドを知ってるとたぶんもっと面白くなるんだろうけど、自分程度の知識の人でも、まあそれなりにちゃんと面白く観られる映画になっている。

いや、それなりに面白く、ではなく色々と意表を突かれまくられ、ほとんどの人は何度も驚かされるはず。たぶん。

とにかく終始主役のスローンさん(タイトルの女神さんのこと)にすべて持っていかれます。開始早々からどアップのバッチリメイクに持っていかれます。

http://miss-sloane.jp/assets/img/top/cast_detailimg01.jpg
http://miss-sloane.jp/ 

一応ね、なんでスローンさんはそこまでやるのか?って疑問も残ったりもするし、前半はちょっと眠くなったりもしますw

 でも、最後は初めてユージュアル・サスペクツを観たときのような、そんな感覚さえ残ります(例えが間違ってるかもw)

アメリカの銃社会問題という重すぎるテーマと、スローンさんの仕掛けるサスペンスなエンタテイメントが絶妙に同居している感じ。

脇を固める俳優陣もみんな良かった。
中でもジョン・リスゴーがこの前見た「コンサルタント」では何だか残念な感じだったけど、今回はちゃんと存在感あって良かったかな。

http://miss-sloane.jp/assets/img/top/cast_detailimg06.jpg

http://miss-sloane.jp/

 

これを機にアメリカの銃社会の背景についても軽く勉強してみるのもいいかも。
最近アメリカで銃乱射とか、トランプ大統領の銃規制に対する考えとかニュースで話題になっていることだし、とてもタイムリーな映画でもある。
ちなみに自分は町山智浩さんのファンなので、町山さんのYouTubeとか記事がわかりやすいのでおすすめです(あくまでアメリカ社会のことあまり知らないって人には)。


あと、ほんと蛇足なんだけど、この映画の人達はまあとにかく超絶に早口でしゃべりまくる。特に主演のスローンさんはすごい。

シン・ゴジラ」で庵野監督が俳優にとにかく早口でしゃべらせたって話があるけど、あれってそんなに早くもないんじゃないか?って思うほどw
最近の映画の中のアメリカ人たちは、ほんとに超高速で難解なことをしゃべりまくっている気がする。この映画の吹替はいったいどうなっているのかDVD出たらちょっと見てみたいかもw

 
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Amazonロビイストで検索するとケビン・スペイシーの映画が出てきた。さすがw

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こんなに面白い映画だったのね、男はつらいよ!

最初に謝っておきます。
本当にごめんなさい。

恥ずかしながら、この歳になるまで、まともに寅さんの映画を見たことなかったんです。

もちろん渥美清倍賞千恵子が主演で、どういうお話かってのは知っていたけど、ちゃんと1本を最初から最後まで見たことなかったし、そもそも洋画かぶれの少年〜青年時代を過ごした自分にはこれまで全く興味がわかなかったんです…。

でも、歳取ると味覚や興味の対象が変わるって言うでしょ?あれ、本当なんですね。今、身を持って実感していますw

あっさりした食べもの(肉よりも漬物とか)好きになるし、若い頃は退屈でしかたがなかったのにお寺とか神社とか気になったりするし。

若い頃は東京でも、新宿、原宿、渋谷ばっかりだったのに、今は新橋の飲み屋とか浅草とか下町歩いている方がずっと楽しい、とかね。

で、今年の夏頃に江戸川区のほうに用事があって、ちょっとした空き時間で柴又観光してきたんですよ。まったく寅さんに興味なかったのに。

浅草と違ってあまり人もいないし、駅から参道歩いて帝釈天までの空間がとても楽しかった。
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順番逆だけど家に帰って、じゃあ寅さんでも見てみるか、ってw
NETFLIXでもAmazon Primeでも今はぜーんぶ揃ってるので、見始めたらもうとまらないくらいこれがまたホント面白い!

こんなに笑えて泣けて、心優しくなれる映画だったんだ。
ほんと恥ずかしいけど、今頃気づいてごめんなさい。

でもね、まだ23作目までしか見られてない。全部で48作もあるんだよ、これ。
あれだけ見たのにまだ折り返し地点にも到達してないとはw

1969年から始まって、1995年(特別編は1997年まで)ほぼ、ずーっと同じ出演者で続いているギネスにも載っているとんでもないシリーズ。

これをリアルタイムでかかさず見てきた人には、すべてにおいてかなわないけど、でもお手軽に全部一気に(見ようと思えば)見ることが出来る今の時代はスゴイよね。

これって一種のタイムマシンみたいなもんだと思う。
この映画に入り込む事によって、色んな時代にタイムトラベル出来るという意味で。

リチャード・リンクレイター監督がビフォアシリーズや「6才のボクが大人になるまで」でやったこともスゲーと思ったんだけど、寅さんはもうずっと前からやってたんだな。ほんとスゴイ。

でも、最初の頃の作品はちょっと難があって、寅さんが妹のさくらに手を上げたり、その時代ならではのとんでもない描写があったり、今の感覚で見ると素直に笑えるばかりじゃないんだけど、でもそれもこれも含めて面白い。

 

ここまでざっと見てきた23作。

自分が特に良かったと思ったのは、
17作目「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」と、
23作目「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」かな。

「夕焼け小焼け」は、寅さんが宇野重吉扮する汚い爺さんの面倒を見てやったら、なんと巨匠の絵描きだったってお話で、寅さんがその巨匠に対してなんの引け目も感じないどころか、人助けをしないのかって怒るシーンがあって、でも最後は寅さんの思いが伝わって…最後には心が豊かな気持ちになれた。

あと、この前に見たばかりの「翔んでる寅次郎」はタイトルからもわかるようにちょっとこれまでから少し世の中が変わったんだなと感じられる内容だった(1979年作なのでやはり時代の変わり目だし)。
桃井かおりが新しい女性の価値観で悩んでいたり、でも最後はすっごく泣ける話になってたり。

 

何となくだけど、寅さん映画のピークって、75年から85年あたりまでなんじゃないかなあと思ってる。
後半は渥美清さんも病気でつらかったそうだし、どんどん輝きが失われていくんだろうなあと考えると、今見ているあたりが一番楽しいところなのかも。

実はさっき書いたように、タイムマシンの特性を活かして、最初の何話かを見たあとに、いきなり最後の特別編を見ちゃったんだよね。どうなってるのか気になって。

もうね、なんか別ものの映画になってたし、寅さんも見てて痛々しかった…。

そういうのがわかった上で、今この絶頂期の寅さんを見られるのがまた何ともありがたいというか、輝いて見えるというか。

なんだかドゥニ・ビルヌーブ監督の「メッセージ」に通じるなあ、とか(何を言っているのか意味不明だと思いますがw)

と、まあ色々考えちゃうとこもあるけど、ほんとストレートに笑って泣いて、そしてどことなく侘びしくなったり、ほっこりしたり、極上のエンタテイメントだなと思います。

あ、ただ途中から映画の冒頭に必ず入ってる「夢」の部分、あれはいらないかなあw

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一応こちらもリンク貼っときますw

seymourgw.hatenablog.com