今日の経験値

主に映画の話。70〜80年代の映画やカルチャーを懐かしむことが多いかも。

観た映画:哭声/コクソン

ずいぶん前に観たんだけど、うまく感想書けなくてほったらかしにしてしまった;

『アシュラ』に続き地元でもめでたく公開されることになったので、なぜか韓国映画だとついてくる妻と一緒に。

アシュラと同じく超面白い映画なのは間違いない! のですが、この映画は二転三転ジェットコースターのように展開が変わる上に、「え?結局どういうこと?」ってとこがあるので、結論としては「面白かったけどモヤモヤする〜」という感想でした。

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ネタバレしちゃうと面白さはかなり半減しちゃう映画なのでその辺はあまり書かないようにしようと思うけど、気になる方は読まないほうが良いかもです。

 

よくわかんないけど韓国映画も有名で達者な俳優は限られてくるのか、『アシュラ』でも強烈な印象を残していたクァク・ドウォンさん(やっぱ舌噛みそうw)とファン・ジョンミンさんが出ています。まあ、それにしても二人ともほんと芸達者。

クァク・ドウォンさんの娘役の女の子もその辺にいそうなフツーの顔なんだけど、お父さんとのやりとりがすっごく可愛くて、でも最後のほうは凄まじい演技でビックリさせられる。というか子持ちとしては見てるのつらい…。

そして日本から来た謎の男として登場する國村隼さん。日本だとヤクザの親分とか警察の上層部とかそんな役が多い國村さんですが、これがまた何とも奇妙な役で登場します。日本人としては正直複雑な気持ちになりますw

 

あらすじをすごく簡単に書くと、韓国のド田舎の村で起こる奇妙な事件に関わる駐在さん(クァク・ドウォン)が徐々に事件に巻き込まれていきます。その事件に関わる不審者が日本から来た謎の男(國村隼) 。さてこの男の正体は?ってお話です。

 

映画.comの特集ページにもあるのですが、韓国映画お得意の殺人犯罪ものかと思いきやコメディ要素もあって前半は結構笑えるし、と思ったら急にゾンビ映画になったりエクソシストになったり、とにかく観客の予想をわざと外すかのように色んな映画を彷彿させる要素が次から次へと展開されます。
哭声 コクソン 特集: これまでの“映画体験”も“知識”も役に立たない《究極のスリラー》“言語化”すらできないこの《壮絶なる衝撃》をあなたは完全に理解できるか? - 映画.com

 2時間半もある長い映画なんだけど、上記のように展開が目まぐるしく変わるので全然飽きないどころか、後半は謎も含めて頭の中がグルグル超高速回転しっぱなし。

この辺はナ・ホンジン監督の前作『チェイサー』や『哀しき獣』にも通じる特徴かもしれません。それにしてもナ・ホンジン監督ってまだ長編映画3本しか撮ってないんだ…いずれもかなり面白い映画だしスゴイ監督なのは間違いないですね。

前2作と比較すると、あきらかに観客を混乱させる作りにしているのがわかるんだけど、まあ見た人はほぼモヤモヤしちゃうんじゃないでしょうか。

そんな人は町山智浩さんの解説を聞けば、まあとりあえずそのモヤモヤは解消されると思うので、200円払ってどうぞスッキリしてください(笑)。

tomomachi.stores.jp

ボクはスッキリしましたw

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ナ・ホンジン監督のデビュー作?
ショッキングな内容ですがもんのスゴく面白い。

 
こちらもかなり面白いんですが、どんな映画?って聞かれてもすんなり答えられないw

哀しき獣(字幕版)

哀しき獣(字幕版)

 

 

観た映画:スプリット

シャマラン監督の新作で評判も良いと聞いたので、さっそく観に行ってきた。

今回の『スプリット』はシャマランの映画でも上位に位置する傑作な気がします。とにかく緊迫感がハンパない。

情報はまったく入れず、トレーラーも見ずに(映画館でも予告編たまたま見なかったし)、あらすじすら知らない状態で観に行ったんだけど、まあ結論から言うと、前作『ヴィジット』同様、オチが重要ってこともなく、ある程度情報を入れても特に面白さはさほど損なわれないんじゃないかと思った。

た・だ・し

今回のスプリットでは、確かにこれは知らないほうが良いかも?という部分が最後にあって、そこについてはどうしてもひとこと言いたい!
いや、シャマランに興味の無い人には特にどうってこと無いことかもしれません。
うん、きっとどうでも良いことですw


『スプリット』本予告

 

ここから先はまだ映画を見てない方は読まないで下さい。 続きを読む

ソウル・グッドマンことジミーは最高の男!【ベター・コール・ソウル】

ウォーキング・デッド7も終わったし、ウエストワールド(結構面白かった!)も、死霊のはらわたリターンズも全部見たので、huluの契約をストップしてさっそくNetflixを再開。
もちろん目当ては超楽しみにしていたベター・コール・ソウルのシーズン3!
いやー、ほんと最高です。酒飲みながらじっくり味わうように見たい大人向けドラマってなかなかないよ。

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ベター・コール・ソウルをまだ見たこと無いとか、知らない人のために超簡単に説明しておくと、TVドラマの頂点に君臨する(私の主観ですw)ブレイキング・バッド」のスピンオフもの。お調子者の悪徳弁護士ソウル・グッドマンがこれまでどういう人生を歩んできたかをじっくり描いたドラマ。

個人的にはスピンオフものって言うと何だか作り手側の「できるだけ搾り取ろう」とか「ちょっと息抜きで作れる」というのが透けて見えたり、また設定の悪ふざけが過ぎたりで、逆に本家の良い印象が台無しになることすらあると思っているんだけど、ベター・コール・ソウルはそのイメージを完全に覆された。スピンオフとは思えないくらい「ついでに作った感」が無く、単体としても十分に面白い!

もちろん本家ブレイキング・バッドを見てからのほうが何倍も楽しめるのは間違いないんだけども、本家の「人がバンバン死んだり、ショッキング過ぎる展開」が苦手って人は、逆にベター・コール・ソウルのほうが楽しめるかも。

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主役のソウル・グッドマンことジミー・マッギルがとにかく「いいヤツ」で、彼の魅力がかなり大きい。もちろん演じているボブ・オデンカークさんの魅力もあるんだけど、キャラクターの設定がね…とにかく泣けるのよ。

ジミーには世間的にすごく立派な兄さんがいるんだけど、ジミー自身は完全に負け犬で何をやっても裏目にでちゃう。兄さんからもダメ弟の烙印を押されている。

だけど誰よりも情に厚く、人懐っこく、弱い者の味方で、いたずらとジョークが大好きで、そして何より兄さん思い…なんだけど、その立派な兄さんにまったく信用されていないという悲しい男。

ジミーの愛されキャラにハマればたぶん楽しめること間違い無し。

ただ、とは言えやっぱりブレイキング・バッドの世界観もちゃんと入れないと持たないだろうし、そっちを期待してる人も多いと思うので、そこはワケあり元警官のマイク爺さん(ジョナサン・バンクス)が裏社会ターンでしっかり見せてくれる。

これまでも裏社会の住人であるトゥコ、ナチョ、ヘクターも出てきてしっかり楽しませてくれたんだけど、シーズン3ではついにあの大物ガス登場!って、ブレイキング・バッド見てない人には何のこっちゃ?なのでこれくらいにしとくけど、本家ファンもしっかり満足させてくれる。

http://bd-dvd.sonypictures.jp/bettercallsaul/img/sokanzu.jpg

ベター・コール・ソウル - 公式サイト | ソニー・ピクチャーズ

まー、今はジミーのお話とマイクのお話がかなり分離している感は否めないけど、これからどんどん複雑に絡み合って「ソウル・グッドマン」誕生までじっくり楽しませてもらえるかと思うとワクワクしてしょうがない。そして、ブレイキング・バッド部分を経てシナボン店長になるまでの経緯はどう見せるのか興味は尽きない。こちらもシーズン5くらいまでは余裕で続きそう…。

さて、気分を出すために安いウィスキーでも買っておこうかなw 毎週火曜が楽しみ。

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本家はこちら。

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