観た映画:アトミック・ブロンド
公開が待ち遠しかったシャーリーズ・セロンの新作アクション!
いやー、良かった。これはオススメ。
ジョン・ウィックが好きならまず間違いなく楽しめるはず。
何しろ監督のデヴィッド・リーチさんはジョン・ウィックでも共同監督だったそうな(なぜかクレジットは無し)。
まあ当然ジョン・ウィックの女性版なんだろうな、くらいに思って観に行ったけど、思ってたより違うテイストの映画だった。
とにかくアクションがスゴイ!何かね、ものすごくハード!
ジョン・ウィックってファンタジー感が強くて、紙切れのように人がホイホイ撃たれていくので現実感が無いというか、笑っちゃう感じすらあるんだけど、この映画はもう殴るシーンを徹底的に見せつける。
圧巻は、秘密を握っているスパイグラス(「ワールズ・エンド」や「おみおくりの作法」に出てた気の弱そうなオッサン)をシャーリーズ・セロンが逃がす場面で、KGBとの格闘がものすごい。
予告編とかにもちょっとあるけど、ワンカメラでシーンの切り替えを極力無くしてのアクションは作り物感が無く、ホントにぶん殴って階段から転げ落ちて頭を強打しているように見えるし、シャーリーズ・セロンの美しい顔がもうボロボロw
かなり見ごたえのあるシーンだった。
でも、まあ完璧に面白かったというわけでもなく、前半はアクションシーンはあるものの予告編でも結構見せてるシーンだったし、展開が少したるいなーって感じるとこもあった。
あと、これはもうネタバレになっちゃうのであまり触れないけど、二転三転するストーリーは、面白いっちゃ面白いんだけど、正直「?」ってなるかもw
まあでも、シャーリーズ・セロンがスタントなしで体を張ったアクションは一見の価値あり。周りもジェームズ・マカヴォイやジョン・グッドマンなど安定の俳優で固めているし。
映画はベルリンの壁が崩壊する80年代最後くらいの時代設定なので、音楽が80年代のヒット曲オンパレードでこれまた良かった!
ベルリンが舞台なので、ネーナとかドイツ絡みの曲とかはもちろんだけど、あの頃何気によく耳にしていた一発屋的な曲が次々と出てきて、わー懐かしい!感がハンパなかった。
特に懐かしかったのは、The Politics of Dancingという曲。これはよく口ずさんでいたなあ。
Politics Of Dancing- Re-Flex (HQ)
そういえばベルリンの壁崩壊の頃、自分は社会人になってすぐくらいだったはず。あの頃は仕事と遊びに夢中で政治情勢にはとんと疎い若造だったなあw
確かイカ天(いかすバンド天国というTV番組)を毎週楽しみにしてた頃で、日本はバブル景気真っ最中だったんじゃないかな。自分はあまりバブルには関係なかったけどw
話は飛んだけど、シャーリーズ・セロンもジョン・ウィックも80年代の軽い音楽も大好きな自分には(ちょっと難はあるけど)とても刺さる映画でした。
----------
思わずサントラ欲しくなったくらい、懐かしの音楽がとても効果的に使われてた映画だった。さすがにブロンディの銀河のアトミックはベタすぎたのか使われてませんでしたw
Atomic Blonde (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: ヴァリアス・アーティスト
- 出版社/メーカー: Back Lot Music
- 発売日: 2017/07/21
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
見た映画:ダンケルク
ダンケルク。
最初、次のクリストファー・ノーラン監督の新作のタイトルと知った時、正直日本ではあんまりウケなさそうな印象だった。けど、さすが売れっ子監督!大々的に宣伝され、公開初週の興行収入はトップだったようだ。世界でももちろんヒット。
で、公開から3週間遅れでレイトショーで観に行ったけど、一番でかいスクリーンにも関わらず超ガラガラだったw
地方の映画館なんてホントこんなものだ。
以下、ちょっとネタバレっぽい感じで書いてるので観てない方はご注意を。
続きを読む観た映画:ローサは密告された
ネットで高橋ヨシキさんが絶賛してる記事をたまたま見て興味が湧いたので、映画の招待券も余ってたし観てきた。
ざっくりと、フィリピンが舞台で麻薬絡みでヤバイ映画、という感じだったので、少し前にNETFLIXかAmazonプライムビデオかなんかで見たメキシコ麻薬戦争モノの「カルテルランド」や「皆殺しのバラッド」のような映画なんだろうなと思ってた。
まあ、さすがにメキシコのように人がバンバン残虐に殺されたりということもなく、方向性はちょっと違っていたけど、それなりにズシンと来る映画だった。
ちょっとネタバレっぽいことも書くので気になる人は以下見ないで下さい。
まあ、そんなに影響はないと思うけど…。
まずびっくりするのが、この映画は上記のメキシコ麻薬戦争ものと違うのは、「ドキュメンタリー映画じゃない」ってところ。
いや、確かにどこにもドキュメンタリー映画だなんて書いてないけど、あまり深く考えずに観ていると、普通にドキュメンタリー映画にようにしか見えない。
それくらいリアル感がすごい。
もちろんマニラの貧困街なんて行ったことも無いのでリアルかどうかわかんないけどw
エキストラは除いたとしても、これ出演者は全員ちゃんとした役者なんだよね?って疑うレベル。ホントに溶け込み方がすごい。作りもの、セット感も一切無し。
映画っぽい演出(何かを暗示させるような見せ方とか、ちょっと感動的な見せ方とか)はほとんどない。いや、あったかもしれないけど、わざとらしさとか全然ない。
でも最後の最後、ラストシーンあたりでちょっと感情に訴えかけるような見せ方してたかも。なんとなくだけど監督の意図とかを伝えようとしているなと感じた。
とにかく、映画的な説明が一切無い感じ。
主人公のローサというおばちゃんをカメラがドキュメンタリーのようにずっと追いかけ回すだけで、すべてが理解できるような作りになっている。
家族構成から、夫婦や子供との力関係、ご近所さんとの関係、何を商売にしているかとか、セリフでの説明が無くてもちゃんと伝わる。
フィリピンの警察もまたスゴイ…。さすがドゥテルテ大統領の国、と思わざるをえないというリアル。こんな映画が作られても地元警察から抗議とかこないのかなw
あの警察署のウラの部屋でたむろしている少年たちは一体どういう人たちなんだろうか?そういう説明も一切ないけど、なぜかそれがフィリピンのヤバイ状況を現していることなんだというのは伝わる。
また、この映画はただの刺激的な犯罪映画というだけではなく、貧しいながらも助け合う家族や周囲の人たちも映し出しているところがスゴイ。
果たしてマニラの貧困街に住んでいる人より豊かな我々が、自分を顧みず困っている人を助けようという気持ちがどれくらいあるのか。
映画の中ではそういうのを強調して語っているわけではないけど、じんわりそういうことを気づかせてくれる。
これはなかなかハリウッドや日本では真似出来ない映画なんだろうなと思った。
ところでフィリピンの人って沖縄の人にどことなく似てる。
主役のローサなんて沖縄の市場とか行けば似てる人いるし、親戚とかにも似た感じの人はいるw
南国の暑いとこだからTシャツ短パンにビーチサンダルなとこも似てて、なんだか数十年前の沖縄もこんな感じだったんだろうな。貧しいながらも助け合うってとこも同じだろうし。
でも今はもうだいぶ沖縄も豊かになって変わっちゃったかもね。