観た映画:パディントン2
正直に言うと、前作から眼中になく、ただのお子ちゃま映画くらいにしか思って無くて、まったくのノーマークでした。
だがしかし、はてなで読者になってるツワモノ映画ブロガーの方々が喜々として感想を書かれておられるのを見て、あれ?もしかしてこの変な顔のクマ映画面白いの?ってなノリで観に行きました。結果…
何このクマくん映画!最高に面白かったよ!←今頃気づくアホ。
激しく反省しております。ホントごめんなさい!
いやー、変な先入観持つのはダメですねー。歳は取りたくないもんだ。
とにかく、映画の楽しさが全部入ってる感じ。笑い、サスペンス、アクション、ファンタジー、仲間、家族愛、そして感動へ…w
いや、でも最後はちょっとウルッときましたよ。ホントにホントに。
パディントンは写真で見るとあんまり可愛くない。
どう見ても日本人が好きなカワイーって見た目じゃない。リラックマやLINEのクマみたいなヤツには見えない。クマのプーさんほど知名度もない(俺が無知なだけだったらごめんなさいw)。むしろテッドのほうがずっとカワイイ(見た目だけねw)。
だからこれまでチラシやポスター見てもあんまり惹かれなかった。
確かにモフモフ感はあんまり無いし、映画が始まってすぐ、パディントンの歯磨きシーンがあるんだけど、これがまた結構キモいというかなんというかw 耳の中にコイン入ってるのとかも何だか嫌だなーと思ったりw
でも、映画が進むにつれ、パディントンの純粋無垢で一生懸命な姿にどんどんやられてって、もうね、観終わった頃にはパディントンにメロメロになってましたw
あと、この映画はとにかくセンスが良い!さすがのイギリス映画(製作国はイギリスとフランスになってるけど)。
全体的に落ち着いた上品な色合いだし、ファッション、セット、街の景色、小物に至るまでまあとにかく上品でセンスがいい感じ。
囚人服がフラミンゴカラーになっちゃうとことかのアイディアも素晴らしいし、色もキレイだし、何よりオシャレな刑務所に大変身w
やっぱアメリカ映画ばっか観てるとちょっとガサツになっちゃうよね(超偏見w)。たまにはこういうヨーロッパの上品な映画も観ないとね。
なんだかアードマンのウォレスとグルミットを観た時と同じようなセンスの良さというか上品さと共通してるなと思った。明らかにピクサーやイルミネーションとは違うセンスというか。
それにしても、CGと実写の組み合わせに、なんの疑問も違和感も持たずに映画が観られてる事は、よく考えるととてつもなくスゴイことだと思う。
パディントンのCG技術ももちろんスゴイけど、やっぱり味のある役者さんの演技もあって、この楽しさが実現しているんだろうし、フルCGならここまでヒットしてないよね、たぶん。
そして何気にネット見てたら、監督のポール・キングさんは、その手腕を買われて、チャーリーとチョコレート工場のリメイク監督に抜擢されたとか。これ、すごく面白そう。
あー、もう3もぜひ作って欲しい!
すっかりパディントンのファンになっちゃいましたよ。
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※ツワモノ映画ブロガーさんのエントリーもぜひどうぞ。
とりあえず時間を作って前作も見ます。
原作はこれかな。
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ぬいぐるみ、オレも欲しい〜。
観た映画:羊の木
吉田大八監督の新作ということで観てきました。
吉田大八監督の映画は『霧島、部活やめるってよ』と『紙の月』の2本しか観てないんだけど、どちらも面白かったし、特に霧島部活のほうは、何度も何度もビデオで見返しているくらい好きな映画。
今回もさすがという感じでとっても緻密に作られたよく出来た映画でした。
設定が面白くて、過疎化の進む町で受刑者を仮釈放させ受け入れる(住まわせる)ことで、町の活性化につなげよう、という国家プロジェクトがあり、6人の受刑者を実際に受け入れることになったのだが、彼らは全員元殺人犯でした、というお話。
最初は、はぁ?そんな国家プロジェクトありえんだろう、なんて思ったんだけど、そこは原作がマンガだし、そういうリアリティのお話だと思えばまあ許せたし、何よりそのクセのある6人が次々紹介されるのが楽しくて、そこでグっと映画に惹きつけられてしまった。
「ここはいいところですよ。人もいいし魚もうまいし」的な、どーでもいい会話が、こんなに面白いなんて!
そんな笑いを交えつつも、元殺人者たちのフツーじゃない行動や、何かが起こりそうで起こらない不気味な感じがあって、下手なサスペンス映画よりも緊張感が最後までずーっと続くので、途中で飽きるということはほとんど無かったかも。
最後のほうは、黒沢清監督の映画っぽい雰囲気だなーと思ったんだけど、あとで調べたら黒沢映画のスタッフが関わっていたようでなるほど納得!
『スリー・ビルボード』観た翌日くらいに観たんだけど、この映画も同じように、こういうお話なんだろうな、とか、この人はこういう役割なんだろうな、という観る人の予想をうまくミスリードさせてひっくり返したりする。
『霧島、部活やめるってよ』でもそうだったけど、観てる人の気持ちを揺さぶってくるというか、問いかけられてるというか、そんな気持ちにさせられる。
あなたの周囲にいる人のバックグラウンド、ほんとに知ってますか?
実際に殺人犯の前科者だと知ったらあなたは態度を変えますか?
人を見た目で判断してませんか?
みたいな。
あと、吉田監督は役者さんの使い方がホントにうまいなあと思う。
自分は松田龍平さんがあんまり好きではないんだけど、この映画ではホントにハマリ役というか、もうこの人しかいない!って感じになってた。
メインの7名はもちろん、チョイ役の人も含めてみんなすごくイイ感じ!
個人的には、水澤紳吾さん(床屋)と安藤玉恵さん(クリーニング屋)が良かったなー。
観終わった後に、役者さんについてアレコレ話すことが楽しい映画でもあるのがイイですね。
そんなに親切な作りの映画ではないと思うけど、吉田監督のテイストが好きな人はもちろん、どんな人が観てもそれなりに楽しめるんじゃないかなと思いました。
オススメです。
ただ、「羊の木」ってタイトルと、冒頭に出てくる詩については、自分はさっぱりわかりませんでしたw
「紙の月」もそういえば意味不明なタイトルだったなあ…w
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原作マンガは読んだこと無いけど、山上たつひこといがらしみきおの豪華コンビ。
面白コワイ映画。90年代風ファッションとか時代設定が良く出来てます。
言わずと知れた大傑作!
観た映画:スリー・ビルボード
アカデミー賞も何かしら取るのではないかという話題のスリー・ビルボード。
公開されたその週末すぐに観たんですが、まあ混乱させられてしまってw すぐには感想書けなくて…。
すみません。以下、オチは書いてないけど、ある意味書いてることにもなっているのでw観てない方は読まないほうが良いと思います。
今、上映している作品の中ではトップレベルに面白いのは間違いないと思います。
よく出来た映画ってこういうの言うんでしょうね。とっても楽しめました…
がっ!
観終わった後のモヤモヤ感がハンパない映画でした。
あまりにもモヤモヤしちゃったので、 いくつか他のブログとか見たりして、なるほどと思わせられる解説もあり、奥深い映画なのは間違いないと思います。
アカデミー賞とかこういう映画が取るんだろうなあというのもわかります。
アメリカの今の現実が反映されてたり、問題提起があったり、人間の葛藤や多面性を描いているのもわかります。
がっ!(二度目w)
やはり最後の終わり方にはやっぱりモヤモヤしちゃうんです。
確かに、犯人が捕まってボッコボコにされるとか、街のみんなが理解し合ってひとつになるとか、母親が号泣して家族と和解するとか、そんなわかりやすいオチがあればモヤモヤはしないんでしょうけど(それはそれでダメな映画だと思うけどw)。
あえてああいう終わり方にしたのも伝えたい重要なテーマなんだと思うし、考えさせられる事でずっと記憶に残るんだろうことは頭では理解はしますが、自分のようなわかりやすい映画で満足しているようなレベルだと、素直に「いい映画!良かった!」となかなか言えなくてw
そういえば去年の「ムーンライト」もいい映画だなあと思いつつも、同じようなもモヤモヤ感があったなあ…w
アカデミー賞確実!的な前評判とか、色々期待値を上げすぎたのも良くなかったかも。
まだまだ映画功夫が足りない!
あ、でも最後のシーンまではホントにびっくりする展開の連続だったし、フランシス・マクドーマンドはパティ・スミスばりの面構えがサイコーだったし、サム・ロックウェルじゃなくてもウディ・ハレルソンは男でも惚れるレベルだったし、サム・ロックウェルと広告屋の病院でのジュースのシーンも泣けたし、アメリカ南部の暴力的な雰囲気とか超怖かったし、ずーっとドキドキわくわくしながら観てました。
あと、過激すぎて逆におかしい会話とか、バカなアメリカ人描写に笑ったり、コメディ要素も楽しかった。
なので、なおさらそんなモヤッとした気持ちのままエンディングロール出さないで〜って何度も何度も(しつこいw)
ま、こんな感じ方もあるということで、しょーもない感想ですが載せておきたいと思います。
あと余談ですが。
原題は「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」で、ミズーリ州の外れのエビングって町が舞台なんだけど、何気にGoogle Mapで検索してみたら架空の町なんですね(当たり前っちゃあたりまえ)。
ググってみたら、ノースカロライナ州のSylvaって町で撮影したそうな。
老後は映画ロケ地巡りとかしてみたいなあ。