観た映画:ブラックパンサー
3月公開の目玉?ブラックパンサーを観に行ってきました。
監督は『クリード チャンプを継ぐ男』のライアン・クーグラー。
これがなんと手がけた劇場映画3本目にしてマーベル映画で1、2を争うヒット、と言う快挙!
マーベル映画『ブラックパンサー』全世界興行収入10億ドル達成 ─ 公開から26日で | THE RIVER
ただし日本では…
公開初週末記録が293万ドル。同じく初登場の『映画ドラえもん のび太の宝島』の790万ドルに大きな差をつけられる形となり、週間ランキングでは2位を記録していた。
ドラえもん圧勝!w
まあ国民的アニメだもんね。しょうがない。
出演者がほぼほぼ黒人、監督も黒人、アフリカの架空のワカンダ王国が舞台。初の?黒人スーパーヒーローものという触れ込み通りの映画でした。
観終わってすぐの感想は、
ブラックパンサーというよりワカンダ王国の映画!
超人ヒーロー映画というよりスパイ映画!
隅から隅まですっごく良く出来た映画!
でした。
白人に対しての黒人、ではなく黒人が中心にいる黒人による映画。
黒人の苦悩や悲哀や怒りがメインではなく(含まれてはいるけど)、黒人王国の物語。
王国と言えばバーフバリ!wというのは冗談だけど、ワカンダ王国にも同じように、忠誠、裏切り、王位争奪、ロマンス、なんてのがちゃんと盛り込まれていて、これからいくらでも話を広げられそうなポテンシャルを持っている気がします。
もしかしたら黒人によるスター・ウォーズの始まり、みたいな感じすらあったかも(言い過ぎかw)。
あと、かなりスパイ映画してたのが楽しかった!
007でいう秘密兵器を開発するMはいるし、面白ガジェットやシステムもたくさん出て来るし、世界中にスパイを放っているし、韓国でのアクションシーンはミッションインポッシブルかキングスマンかって感じだったし。
悪役のキルモンガーがこれまた魅力的で(クリードの人)、しかも単純な悪いヤツじゃないという深い設定になってて。
ネタバレになるので書かないけど、よくあるいきなり出てきた都合の良い悪人、ではなく、物語的にこの映画の中心に位置する存在になってて、はっきり言って主人公の国王ティ・チャラはおまけっぽい感じすらあったw
てな具合に、まあ魅力的な要素が超てんこもりなのにきちんと整理されていてわかりやすく全然混乱しない、伏線もバッチリ、最後の着地も見事決まった!金メダル〜!っていう、ほんとによく出来ている映画だなあと思いました。
これはやっぱりライアン・クーグラー監督の手腕なんでしょうね。
でも…。
でも、何か物足りないというか、心に刺さらないというか、自分の好みに合ってないのか、90点以上なのは間違いないけど決して120点にはならないというか(わけわからんw)。そういえば『クリード』もすごく面白かったんだけどベスト!って感じじゃなかったなあ。
マーベル映画でいうと、個人的にはアイアンマンの1作目やアントマンのほうが好きかも(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは別格として)。
ちょっとスキのあるくらいの映画のほうが自分にはちょうどいいのかも。
なんてことを超カッコいいエンディングロールを見ながら思いました。
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観た映画:シェイプ・オブ・ウォーター
第90回アカデミー作品賞、監督賞とまさかのダブル受賞!驚きましたねー*1。
http://eiga.com/movie/87780/photo/
昔むかし、スピルバーグがオスカー狙いで?社会派な映画を撮り始めた時、ちょっと残念に思った記憶があります。
その頃の自分にとってアカデミー賞なんて特に面白いものでもなく、「そんなの狙わず面白いアクション作ってよ!」なんて気持ちでした。
今ではすっかり大人な気持ちで受けとれるようになったのでw、アワード系はお祭りとして楽しめてますし、観たい映画やドラマの参考になったりしてます。
ただ、去年のラ・ラ・ランドじゃなくてムーンライトが受賞したのもやっぱりちょっと違和感はあって、今年もたぶんスリー・ビルボードあたりになるんだろうな、と思ってたらデル・トロ祭りになっててちょっとビックリしたというか。
まあでも過去の受賞作品見ても何コレ感はあったりするしwやっぱりあくまでアカデミー賞はお祭りとして、ジミー・キンメルのへらず口とか、よぼよぼのウォーレン・ビーティwを楽しむのが正解なんだと思います。
そんなこんなで、仕事中にずっとツイッター横目にアカデミー賞の結果を見てて気分も盛り上がった状態だったので、業務終了と同時にソッコーで映画館へ向かいました。
以下、ネタバレ含むのでご注意を。
映画のあらすじ等は省略(町山さんの解説や他のブログが参考になります!)。
なるほど、これはオスカー取ってもおかしくない映画だなというのが最初の感想。
確かに、いきなりのオナニーシーンとか、マイケル・シャノンのトイレ&ケツ出し◯◯◯◯シーンとか、傷口に指ツッコミの引きずり回しとか、半魚人との◯◯◯とか、こんなの必要なの?wって思うシーンもありました(いや、こういうのがあるからこそのデル・トロ監督だし価値があるのでしょうけど)。
でも、映画を観終わって残った印象は、本当にロマンティックなラブストーリー、だし、美しいファンタジー、だったのでオスカーも全然ありだなと。
その要素としては、やっぱり主演のサリー・ホーキンスの素晴らしい演技がとても大きいなと思いました。なんでこれで主演女優賞取れなかったんだ?くらいの気持ち。
声が出ない人って設定もよく考えたなーと思いました。
サリー・ホーキンスの演技力がなけりゃ成り立たないと思うけど、セリフで伝えるよりずっと響くというか、感動的というか。
子供の頃、TVでチャップリンの「街の灯」を見たとき打ちのめされるくらい感動したんだけど、あれも目が見えないという設定があるからこその感動や悲しさだし、それを最大限に活かしたストーリーだったけど、この映画もちょっと近い感覚を受けたんですよね。
あと、美術。これは賞を取って当然かと思いました。
何というか画面の青や緑基調の色合いが全編に渡ってすばらしいし、60年代というポップでパステルな色のきれいな時代設定も相まって、細部に至るまでうっとり見とれるくらい良かった。濡れた床の見せ方ですら美しい。
あと研究施設の機械の動きとか、ボタンやメカの動きとか造形とかもコダワリまくってるのが伝わるし。さすがパシフィック・リムの監督!w
日本語字幕も黄色で、個人的には画面とマッチしてて良かったと思いました。
怪物と女性のロマンス(悲恋)を扱った名作映画はたくさんあるけども(キングコングとかザ・フライとか)、この映画はロマンスや希望の余韻を残して終わるのがオスカー受賞に繋がったのかも。
もちろん、町山さんが解説しているような、社会的メッセージ(移民問題、男尊女卑、性的人種的差別問題等)も含まれているというのもあったとは思いますが、映画としての楽しさ、ファンタジーという魔法が根本にあるのが、この映画の一番の良いところだと感じました。
個人的には、さほどデル・トロ監督の映画に熱狂してるわけでもなく理解度も低め、オタク度としては中の下くらいの属性なので「文句なし!最高でしたー!」ってテンションでは無いのですが、これまで観たデル・トロ監督作の中では一番良かったかも(まだ見てない作品たくさんありますが)。
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デル・トロ監督といえば。
*1:シェイプ・オブ・ウォーターとしては作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の4部門受賞
2018年2月に劇場で観たその他の映画
今月は結構本数観たけど、やっぱ感想書いてる時間が無い…。もっとサクッと書けるようになりたいなぁ。
今月は日本映画が傑作ぞろいだった。
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ザ・リング リバース
おなじみ貞子のリメイク。え?リバース?w
いやはやなんとも普通な感じ。中盤以降は推理サスペンスになっちゃうのでちょっと退屈だったかも。
呪いのシーンやクライマックスの部分はそれなりに手に汗握るし、フツーに面白かったんだけど…けどやっぱりなんとも普通な感じ。
スリープレス・ナイト
これは拾いもの!面白かったー。クライムアクション。いわゆる悪徳刑事もの。
ベイビードライバーで証明していたように、ジェイミー・フォックスは悪いヤツやらせたら最高かも。
タイトルからもわかるように、ひと晩だけのタイムリミットサスペンスなとこや、ビルの中だけで完結するとこ、どんなピンチな状況でも不屈の精神とアイディアで乗り切る主人公、って設定がまるでダイ・ハード!排気口内でのほふく前進まであるから確信犯なのでは?ど派手な爆発はしないけどねw あと96時間的でもあり。
知らなかったんだけど、もともとは2011年の同名タイトル(フランス映画)のリメイクなんだとか。そっちも見てみたい。
マンハント
ジョン・ウー監督らしいアクションシーンは良かった!けどその他はもう色々目をつぶるしか無いって感じだった。
たぶん、元になった高倉健さんの映画のオマージュなんだろうけど、いきなり冒頭で演歌が流れて、もう最初から笑っちゃったw
でも、あえてこのヘンテコさを楽しむというのはアリかも。ある意味ジョン・ウー監督の作家性が強烈に発揮された他では真似出来ない映画ではないかと思う。
自分が感じたことは全部てらどんさんのブログに書かれてました!
不能犯
白石晃士監督の映画はわりと好きだったりするんだけど、これはちょっと自分的には無かったなあ。
すぐに「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造を連想したんだけど、レビューを見るとみんな同じように感じてるようでしたw
白石監督らしくちょっとエグい描写とかもあってそこそこ楽しめたんだけど…。
松坂桃李の表情はマンガっぽいケレン味があって悪くないと思ったんだけど、やっぱこれどんな能力なの?って思っちゃうよね…。
沢尻エリカとかその他のキャスティングもちょっとアレかな…という感じ。ごめんなさい、ごめんなさい。
グレイテスト・ショーマン
これこそジェットコースタームービー!?っつーくらい、物語が一気に進む進む!休む暇なんてありません!ひと息つけるのはミュージカルシーンくらいw
ミュージカル属性があんまりない自分でも、歌と踊りは圧巻で楽しかった。
でもあとで考えるとちょっと変な映画なんですよね。
あきらめずに夢を信じて!あなたは一人じゃない!仲間がいる!世界に一つだけの花!身分の差なんて関係ない!なんてディズニー映画みたいな顔してるけど、実は人間の欲望や野心に周りが振り回されるというようなお話だったりして、そこがなんともこの映画のフツーじゃない魅力になっている気がする。
画面がなんか暗かった。
ガーディアンズ
ロシア版アベンジャーズ。これはスゴイ映画!…(いや、ウソw)。
ラズベリー賞的な愛され要素のある映画です。DVDスルーされる枠から1本だけスポットライトを当てて劇場公開してみたという感じ?
でも、こういう時流に乗ろうとしてハズしたユルい映画が大好きな人たちには、たまらない魅力があるんじゃないかなと思ったり。まさにアベンジャーズ全盛の今、これを劇場で観るからこそ意味がある!(おおげさ)。
意図してるのかしてないのかわからないが、クマーはこの映画最大のチャームポイント。DVD出たら家族みんなでわいわいツッコミ入れながら観るのも楽しそう。
エンドロール後のおまけもさっぱり意味わかんねーって感じで笑えますw
祈りの幕が下りる時
この映画についてはまったくの知識ゼロ状態で観たのですが、「え?これって砂の器?」って終始思いながら観てました。あとで検索してみたらやはりオマージュっぽい。最初の字幕による説明とかよく似せてあるし。
「新参者(加賀恭一郎シリーズ)」というシリーズドラマであり、原作はあの東野圭吾ということも知らなくて。一定のファンがいる前提の映画だったんですね。
でも自分のような、まったく無知な人でもちゃんと楽しく観ることはできました。
ただちょっとね、映画ならではのゴージャス感がもう少し欲しかったかも。全体的にちょっとテレビっぽいとこがなんか気になりました。
名作!まだの人は見比べてみるのも面白いかも。
犬猿
ヒメアノ~ルの監督の最新作。これも傑作!
兄弟いる人は絶対に観たほうがいいと思うけど、いない人はどう感じるんだろう。
題材は違うけどヒメアノ~ルと同じような構造になっていると思った。でもこっちはソフトでコメディ寄りなので、安心して広くおすすめできるw
コンフィデンシャル/共助
ひとことで言うと、韓国版リーサル・ウェポン!
北朝鮮の若いイケメン刑事と、韓国のブサ刑事のバディ・ムービー。
ダークで過激な韓国ノワールな映画ではなく、コメディ要素満載の明るく楽しいアクション映画。こう書くとなんだかつまらなそうだけど、とんでもなくよく出来た映画な気がする。でも、なんつーか、まとまり過ぎなのかも。優等生すぎる気がしないでもない。
トイレットペーパーを武器にするっていうのが斬新過ぎて面白かった。
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さて、3月はまた観るべき映画が目白押し。