観た映画:勝手にふるえてろ
普段ロクにTVも見ないし、どちらかといえば日本映画もあんま観ないほうだし、若い俳優さんやアイドル的な人たちの名前もあんまり憶えてないし、松岡茉優の映画だから観たい!なんてことももちろん無く。
芥川賞を取った若い女性の書いた小説、ってことくらいは一応知ってました。綿矢りささん、タモリ倶楽部にも出てたしね。
ただ、映画の良い評判をネットで目にしていたし、タイトルもなんかカッコいいし、もしかしたら案外面白いかも?くらいの気持ちでふらりと観に行きました(いいわけじみた長い前置きw)。
でも、正直、若い人や女性の観客が多い映画はオッサンひとりだと少し勇気がいるんですよね。
案の定、高校生くらいのキャピキャピしたグループや、OL風の人や、若いお母さんなんかが席に陣取ってて、うわーちょっと恥ずかしいなってそそくさと前の方の人気のない席に座ったり。
もしかして「オッサンひとりで観に来てるー」なんてひそひそ話してないかなとか聞き耳立てたり(自意識過剰w 誰も気にしてねーよw)。
と、まあ面倒くさい思いして、やっと始まった映画も、主役の松岡茉優がずっとハイテンションで何かウキウキしながらひとり語りしてて、「うわっ、これ本格的に自分が観る映画じゃないかも」って思ったんんだけど、最後まで観終わった感想は…
すばらしい傑作でした!おっさん、ひとりで勝手にふるえてました!w(気持ち悪い)
自意識過剰は若者の特権だと思っているかもですが、オッサンだって毎日毎日アホな妄想したり、自意識過剰に生活してるんです。
さすがに会社とかリアルな生活上での恋愛妄想はしないけど(人生棒に振る可能性あるしねw)、でも同窓会あたりで昔好きだった女の子に会ったりすると、いまだに妄想の恋を復活させたりくらいはするもんですw
冒頭にも書いたけど、たかが映画観るのにも人の目を過剰に気にしたりするんです。
タモリ倶楽部もひとりで見るの好きなんです。空耳アワーのタオルも欲しいです。アンモナイトは買わないけどw
映画やマンガ好きで体育会系をバカにして、『霧島、部活やめるってよ』の神木隆之介にシンパシー感じるくらいの青春時代を送った人間なので、この映画のヨシカにもそれなりに共感できるんです。 シアミ(視野見?)とか笑っちゃうくらい理解できるしw
まあ、オタクだろうが体育会系だろうが若者だろうがオッサンだろうが、みんな自分のこと好きだし、たぶんこの映画観たひとはかなりの割合で、主人公を何かしら自分に当てはめることができるんじゃないかなと思います。
それにしても主役の松岡茉優さんはすごく魅力あるし素晴らしい演技してましたね。こういう役って難しいですよね。 きっと。
恥ずかしながら、霧島部活やめるってよ、のあのイヤな女子高生の人だと知ったのは映画を観て後でした(同一人物なのあれ?)。
昔、NHKの限界集落ってドラマに出てた時に、あ、この子すごくいいなあ、って思った記憶はあったんだけど、まさかこんなに魅力的で上手な俳優さんだったとは。
すみません、この映画はとっても説明がしにくいし、内容を文字で説明しても面白さなんてたぶん伝わらないと思うので、なんのこっちゃって感想をいきなり書いてしまってますが、もうとにかく心に刺さる良い映画だと思うので、とりあえず観て下さいとしか言いようがないです。
強いていうと、ちょっと『500日のサマー』に似てるかな?って思いました。いや、全然関係ないかなw
ただ、一点だけちょっと「あれ?」って思ったのが、タイトルの「勝手にふるえてろ」ってセリフは、主人公のヨシカに向かって吐かれる言葉だと思ってたら、そうではなかったのが「?」でした。
映像的にも変わってて印象的なシーンも多く、独特の映像表現と言うか感覚というか、そんなとこも新鮮に感じられたのも良かった。おすすめです。
と満足したんですが、映画が終わったあと、後ろの席の女性たちがみんな出てったあとに、こっそり最後に映画館をあとにしました(だから誰も気にしてないってば。気持ち悪い)。
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小説も読むべきか?
監督の大九明子さん。初めて聞く名前でした。すみません。他の監督作品もぜひ見てみたい。
観た映画:デトロイト
これはヤバイくらい重たい映画。覚悟して観る必要があるかも。
ちょこっとネタバレしてるのでご注意を。まあ史実をもとにしてるのでネタも何も無いけど。
キャスリン・ビグロー監督といえば、自分は昔『ストレンジ・デイズ』を見て、ラストで頭をガーンと殴られたような衝撃を受けた(ずいぶん古い映画なのであんまり覚えてないけどw もう一回見たくなってきたなあ。今度レンタル探してみよう)。
最近は『ハート・ロッカー』や『ゼロ・ダーク・サーティ』で、すっかり社会派な監督として名を馳せているけど、相変わらず頭をガーンと殴られるような映画ばっかり作っている。
で、今回のデトロイト。これまで以上でした。
頭を100回くらいバットで殴られるような映画だった。
暴動の起きたデトロイトで、警官や州軍にちょっとしたイタズラをしたばかりに、若者たちが地獄のような一夜を過ごす。というお話なんだけど、もうその描写がマジ恐い。恐怖そのもの。
ヤクザやマフィアに捕まるというシチュエーションも怖いけど、相手が警官だからもう為す術がない。誰も助けられないし、助けてもくれない絶望感。
何もしてないジョン・ボイエガが取調べを受けるとこもホント怖かった。
実際の当時の映像も挟みつつ、カメラも揺れ揺れのドキュメンタリータッチで撮っているので、観客はその恐怖を文字通り「体験」させられる。ドキュメンタリー風なんだけど、これ以上無いくらいのホラー映画でもある。
『アイ・イン・ザ・スカイ』というイラクに無人機でテロリスト攻撃し、何の罪もない子供を巻き添えにするって映画を以前観たんだけど、その重い事実とは裏腹に、映画としてのサスペンスがエンタテインメントに感じて、なんだかとても複雑な気分になったことがあった。
でもこのデトロイトは、ドキュメンタリー風にすることでギリギリ、エンタテイメントに感じないというか、客観的に映画を観ている側として楽しませてくれないような作りになっている。自分も100回くらい頭を殴られているような、そんな気分にさせられてしまう。
しかも、暴力を受けるドラマティックスのボーカル、ラリー(アルジー・スミス)が、この出来事によりエンタテイメントとしての曲を唄えなくなるという事実が、もう重すぎるくらい重くて本当につらくなる。
この映画、スター・ウォーズのフィンを演じたジョン・ボイエガが主役のように宣伝されてるけど、主役は間違いなくラリーを演じたアルジー・スミス。
それと、暴力を振るうメインの警官、クラウス演じるウィル・ポールターが凄い。動きと言い、顔つきといい、変な眉毛といい、とにっかく憎たらしい!
これが映画かどうか区別付かなくなった人に襲われちゃうんじゃないかと心配になるほど、彼に憎しみを抱いてしまう。それくらい凄い演技だし、演出されている。アカデミー賞の助演男優賞は、この人にして欲しい。
http://eiga.com/movie/87571/gallery/2/
この映画、時代は1967年だけど、すでに70年代っぽいファッションや車や町並みがなんともイイ感じ。だけど何度も気軽に観るような映画じゃないんだよなあ…。DVD出ても借りないし買わないかも…。
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それにしても、デトロイトを舞台とした映画は素晴らしい映画が多い。
古くは『ロボコップ』。最近だと人生ベスト級に好きな『グラン・トリノ』。あと『イットフォローズ』や『ドント・ブリーズ』。ぜんぶ面白い。
観た映画:パディントン2
正直に言うと、前作から眼中になく、ただのお子ちゃま映画くらいにしか思って無くて、まったくのノーマークでした。
だがしかし、はてなで読者になってるツワモノ映画ブロガーの方々が喜々として感想を書かれておられるのを見て、あれ?もしかしてこの変な顔のクマ映画面白いの?ってなノリで観に行きました。結果…
何このクマくん映画!最高に面白かったよ!←今頃気づくアホ。
激しく反省しております。ホントごめんなさい!
いやー、変な先入観持つのはダメですねー。歳は取りたくないもんだ。
とにかく、映画の楽しさが全部入ってる感じ。笑い、サスペンス、アクション、ファンタジー、仲間、家族愛、そして感動へ…w
いや、でも最後はちょっとウルッときましたよ。ホントにホントに。
パディントンは写真で見るとあんまり可愛くない。
どう見ても日本人が好きなカワイーって見た目じゃない。リラックマやLINEのクマみたいなヤツには見えない。クマのプーさんほど知名度もない(俺が無知なだけだったらごめんなさいw)。むしろテッドのほうがずっとカワイイ(見た目だけねw)。
だからこれまでチラシやポスター見てもあんまり惹かれなかった。
確かにモフモフ感はあんまり無いし、映画が始まってすぐ、パディントンの歯磨きシーンがあるんだけど、これがまた結構キモいというかなんというかw 耳の中にコイン入ってるのとかも何だか嫌だなーと思ったりw
でも、映画が進むにつれ、パディントンの純粋無垢で一生懸命な姿にどんどんやられてって、もうね、観終わった頃にはパディントンにメロメロになってましたw
あと、この映画はとにかくセンスが良い!さすがのイギリス映画(製作国はイギリスとフランスになってるけど)。
全体的に落ち着いた上品な色合いだし、ファッション、セット、街の景色、小物に至るまでまあとにかく上品でセンスがいい感じ。
囚人服がフラミンゴカラーになっちゃうとことかのアイディアも素晴らしいし、色もキレイだし、何よりオシャレな刑務所に大変身w
やっぱアメリカ映画ばっか観てるとちょっとガサツになっちゃうよね(超偏見w)。たまにはこういうヨーロッパの上品な映画も観ないとね。
なんだかアードマンのウォレスとグルミットを観た時と同じようなセンスの良さというか上品さと共通してるなと思った。明らかにピクサーやイルミネーションとは違うセンスというか。
それにしても、CGと実写の組み合わせに、なんの疑問も違和感も持たずに映画が観られてる事は、よく考えるととてつもなくスゴイことだと思う。
パディントンのCG技術ももちろんスゴイけど、やっぱり味のある役者さんの演技もあって、この楽しさが実現しているんだろうし、フルCGならここまでヒットしてないよね、たぶん。
そして何気にネット見てたら、監督のポール・キングさんは、その手腕を買われて、チャーリーとチョコレート工場のリメイク監督に抜擢されたとか。これ、すごく面白そう。
あー、もう3もぜひ作って欲しい!
すっかりパディントンのファンになっちゃいましたよ。
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※ツワモノ映画ブロガーさんのエントリーもぜひどうぞ。
とりあえず時間を作って前作も見ます。
原作はこれかな。
- 作者: マイケルボンド,R.W.アリー,Michael Bond,R.W. Alley,木坂涼
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2012/09/01
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ぬいぐるみ、オレも欲しい〜。