ミッション:インポッシブル/フォールアウト
トム!ファイトー!いっぱーつ!
おなじみスパイ大作戦のシリーズ6作目。
ファンも多いし、宣伝も凄いし、知名度も高いし、いたる所で映画の魅力や見どころを紹介しているのに、あえて同じようなことも書く虚しさを味わいたくないのでw、映画の解説的なことは一切省きます。ていうかいらないよねw
スゲー楽しいから映画観て!
で十分かなw
こっからは、どーでもいいようなことだけ書きます。ほんと、どーでもいい内容なので怒らないでくださいw
監督について
前作に続きクリストファー・マッカリーが監督を勤めるというニュースの時点で自分的にはちょっと残念な気持ちに。
いや、前作の『ローグ・ネイション』はシリーズ中の上位に来るほど面白かったし、その前の『アウトロー』(ジャック・リーチャー)もスゲー大好きな作品なんですが、ことM:Iシリーズについては、色んな(意外な?)監督が毎回違う形で楽しませてくれるというのが好きで、そういうコンセプトのシリーズだと思ってたので、マッカリー監督なら安心だなあと思う半面、今度はどの監督になるんだろうという楽しみが消えちゃったのが正直残念でした。
何しろ第1作目はあのブライアン・デ・パルマ監督ですよ?(もう20年も前の映画なんですね…恐ろしい)当時は、「え?デ・パルマがスパイ大作戦?主演トム・クルーズってマジ?」って、ほんとビックリした記憶があります。もちろん期待値MAXで、映画も実際面白かったし、今思うとデ・パルマらしい雰囲気のある映画でした。
もちろん映画は知っての通り大ヒットしたので続編も…ということで起用されたのがジョン・ウー!おおっ!そう来たかと思いましたね。もちろん映画もジョン・ウー節炸裂!でも、正直シリーズ中一番つまんないかな〜とは思いますw でもジョン・ウーのスパイ大作戦ってだけで楽しいじゃないですか。
そして3作目は、まだあまり有名じゃなかった?J・J・エイブラムス。確かドラマのLOSTで名前が売れ出していた頃だったような。今となっては有名映画シリーズ総ナメな、欲張りここに極まれりという監督なのですがw、初期の頃にすぐに起用したトム・クルーズは先見の明があったんでしょうね。
その次は、まさかのアニメーション畑からブラッド・バード監督の起用!これも意外でビックリしました。だって『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』の監督ですよ?その人が次に撮るのが実写のミッション・インポッシブル!当然期待は高まりましたし、さすが腕前は本物でした。
そして、最後は『アウトロー』でトム・クルーズの信頼を勝ち得たのか、クリストファー・マッカリー監督が勤め、またまた期待通りの出来栄えでトムもよっぽど意気投合したのか連続監督と相成りました。
でもねぇ。個人的にはやっぱ監督選びは冒険して欲しかったんですよね。ワクワクしません?どの監督にするか考えるの。
例えばエドガー・ライトとか。ハン・ソロを降ろされたフィル・ロード&クリス・ミラーや、ディズニークビになったジェームズ・ガンとか? いや、もっと思い切ってアジア勢のチャウ・シンチーやポン・ジュノはどうでしょう?(ジョン・ウーで懲りたかなw)。日本からは今度ハリウッド進出する園子温を押します!w
いや、どうでもいいですねw
スパイ憧れについて
自分はそれなりのオッサンなのですが、子供の頃はスパイに憧れていました。アホですか?と思っているあなた。昔の子供(男子)はほぼ全員スパイに憧れてましたよ(多少の誇張入り)。
それは当然007や、M:Iの元になっているテレビ版「スパイ大作戦」や、千葉真一の「キイハンター」とか(もう誰も知らないかw)見てたから。
スパイ手帳とか七つ道具的なオモチャがいっぱい売られてたし、欲しくてたまらなかったりしたものです。
ま、スパイはカッコいいですよね。女にもモテる!良い車に乗れる!うまい酒飲める。人を殺してもお咎め無し!最高の職業じゃないですか。
さて、今だに作られ続けているスパイ映画ですが、今の時代、はたしてスパイに憧れるような残念な子供っているのでしょうか。
やれYouTuberだのホリエモンだの言ってるそんな世の中の子供から見たら、イーサン・ハントなんてただのブラック企業(組織)に勤める社畜くらいにしか見えないんじゃないですか?
だって、いい車も持ってなさそうだし、奥さんとは泣く泣く別れる羽目になるし、美人のスパイには裏切られるし、友だちは2人しかいなさそうだし、何よりいつ死んでもおかしくない仕事ばっかりやらされてるし。イーサン・ハントにはそれに見合った報酬が支払われてるんでしょうか。見合った贅沢はできているのでしょうか。それを映画内で一切見せてなくないですか?
子供たちに「オレもスパイなりてー!」と思わせる映画を作らないと、この先もうスパイ映画の未来は無い気がしますよ。
ほんと自分が嫌になるくらいどうでも良い話ですねw
007シリーズの今後を憂う
今やスパイ映画はM:Iシリーズの一人勝ち状態だけど、キングスマン、イコライザー、ジョン・ウィックやアトミックブロンドのような今後楽しみなキャラシリーズもたくさん控えている(スパイじゃないのも混じってますがw)。他にも単発ながらも良く出来た面白いスパイ映画もたくさんある。
そんな中で元祖スパイシリーズの007はどう生き残っていくのかとても心配。
完全にダニエル・クレイグに頼りきった状態だし、サム・メンデス監督の大人っぽい作風でなんとか土俵際に残っている印象。
アクションも、トム・クルーズがもうメーター振り切りレッドゾーン状態でここまでやってしまっているので(今回はバイク、車、スカイダイビング、ヘリ、全力疾走まで全部やってるw)、フォールアウトを観て、007は今後どう戦えばいいのかずっと悩んでました。誰か007の生きる道を考えて下さい。
…はぁ、ここまで書いてほんと後悔してますw
どうでもいい話は終わり。
まあ、でもトム・クルーズのスタントはホントにヤバイくらい凄いですし、最後のヘリのシーンなんて、あいた口が塞がらない状態になるのは間違いないです。
ほんとどうかしてるよトム・クルーズ(これ言いたかった)。
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あ、そうそう。最低でも前作ローグ・ネイションは観ておいたほうが絶対楽しめますので、予習しておきましょう。できればIII、ゴースト・プロトコルも。
2018年7月に劇場で観た映画
7月のベスト表情w
ワンダー 君は太陽
ラブ・ストーリーとお涙頂戴映画(特に難病もの)は何となく苦手なので避けがち。全部乗せで来られるともうダメ。ほぼ間違いなく観ない。
でもワンダーはちょっと面白い作りの映画だった。主人公のオギーだけの物語ではなく、その周りの人たちも同列に悩んだり苦しんだりする姿を描いててビックリした。
ストレート投げると見せかけて思いっきり変化球。
と見せかけて、でもやっぱりストレート(どっちだよw)。
ニンジャバットマン
www.youtube.comかなりブッ飛んだアニメとネットで話題になってたけど、普段ジブリやピクサーくらいしか観ないような人なので、そのブッ飛び具合は正直よくわかってない。
確かにダイナミックで勢いは感じたし、バットマン+戦国自衛隊+ロボットアニメは確かに新しいし笑えたんだけど、新しい素材や盛り付けにこだわったけど、食べたら普通の味だったという感じだった(オッサンなので今の感覚にたぶんついていけてない)。
でも絵のタッチはカッコいいと思ったよ!日本のアニメはこのテイストでもっと作って欲しい。
焼肉ドラゴン
www.youtube.com予告編を観たときは「たぶん観ないリスト」に入れてたんだけど、時間がちょうど合ったので観てみたら結構面白かった。
でも、この両親でこの美人の三姉妹ってリアリティ無さすぎだよw
あまり陰鬱にならないように笑いを入れてサラッと描いているんだけど、なかなか厳しいお話。
今の時代にはもう残ってないかもしれないけど、差別される側だけど日本人になりたい(なるしかない)って気持ち、自分もほんの少しだけですが感覚的にわかる。
ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷
サブタイトル長い。 死霊館とどっちが呪われているか競ってる?w
実在するウィンチェスターハウスのことは知っていたので、ヘレン・ミレン演じる何かに取り憑かれた女主人の狂気を描いた映画なのかと思ったけど全然違った。むしろ女主人まともw
結局ウィンチェスターハウスというネタを使っただけの普通のホラー映画だった。不気味さで言えば死霊館の圧勝!
でも普通のホラー映画として観るとちゃんと面白い(かな?w)。
勝手に「今日はゲテモノ料理食べに来たぜ」ってよく調べもせずに店に入ったら、ちゃんとした普通の料理だった、という感じ。どこにもゲテモノ料理なんて書いてなかったw
ジュラシック・ワールド/炎の王国
ジュラシックシリーズとして、テーマパーク感を楽しみに来たお客さんの期待は全然裏切らない。特に前半の火山島からの脱出までは、ベタだけどとてもワクワクして面白かった。
球体の乗り物が崖から落下する時のブライス・ダラス・ハワードの表情がすごくて(トップに貼った画像)、なんて素晴らしい演技なんだと思ったら、ホントにジェットコースターのようなものを作って落として撮影したらしい(動画)。そりゃあの表情になるわw
トラックに乗り込み、アクセル全開からのフェリーへのダイブシーンも見せかた上手いなーっと思ったし、ホッとしたところで振り返ると逃げ切れなかった恐竜たちの姿がなんとも切なくて泣けた。前作に比べ恐竜寄りの映画になってた気がする。悪いのは人間!
て考えると、あのラストは納得。恐竜は悪くない!
あと…どうでもいいけどクリス・プラットは手で恐竜を制し過ぎ!w
ウインド・リバー
町山智浩さんがラジオ(たまむすび)で紹介していてるのを聞いて気になっていたので、仕事も早めに終わったこともあり公開日に観に行ってきました。
あまり話題になってないのか地元では1スクリーンだけ、東京でも4館くらいしかやっってないという扱いですが、もっとたくさんの人に観に行って欲しい!もったいない!と思うような良作でした!
※ネタバレしてます!
ワイオミング州ウィンド・リバー保留地。FWS(合衆国魚類野生生物局)の職員、コリー・ランバートは荒野のど真ん中で少女の死体を発見した。FBIは事件の捜査のために、新人捜査官のジェーン・バナーを現地に派遣した。自然の過酷さを甘く見ていたバナーは、捜査に難渋することとなった。そこで、バナーはランバートに捜査への協力を依頼した。2人は荒れ狂う自然と剥き出しの暴力に直面しながらも、ネイティブ・アメリカンの村社会の闇を暴き出していく。
あまり知られていないアメリカ先住民の厳しい現状を題材にした社会問題を扱った映画、とのことで正直観る前は「ちょっと疲れちゃうかもなあ」と少しネガティブな気持ちでした。
社会派な映画って少し苦手なんですよねぇ…。嫌でも厳しい現実を見せられがちじゃないですか。それなりに向き合う覚悟が必要だったりして。
社会問題を扱った映画と言っても、正統派ドキュメンタリーや人間ドラマ、マイケル・ムーアの突撃取材やサシャ・バロン・コーエンのドッキリコメディだったりと手法は様々ですが、サスペンスタッチものがたぶん多いですよね。
シリアスな題材との相性は良いので、そりゃまあそうなる気はします。
むしろサシャ・バロン・コーエンのような映画作るほうがよほど難易度高いかもw
この作品もクライムサスペンスとしてすごくよく出来ていて、終盤はもうドキドキさせられっぱなし!緊張感もハンパなかったです。
バディ・ムービー的な要素もあって、それもうまく物語に活かされてました。
事件を担当するために派遣されるFBI捜査官は、あまり現地のことを把握できてないノーテンキで頼りなさそうなエリザベス・オルセン(そういう見せ方をしている)。
そのバディを努めるのが、つらい過去を持つ現地のハンター。終始苦悩した表情が似合うジェレミー・レナー。
なんと二人ともアベンジャーズのヒーローコンビ!今回は弓矢じゃなく超強力スナイパーライフルだぜ!
http://lionsgateathome.com/wind-river
スーパーヒーローたちも最近は苦悩してますけども、ジェレミー・レナーは『ハート・ロッカー』でも苦悩する男をバッチリ演じてますし、今回の役も安定の苦悩っぷり?wでした。
エリザベス・オルセンのほうも意外とハマってて、女性捜査官という設定もレイプ事件に固執する理由になってるし、頼りなさげな門外漢がだんだんと現地の人たちの厳しさや苦悩に気づき、寄り添って、力強い存在になっていくとこも良かったです。
事件の真相の追い方、解き明かし方もすごくうまくて、うまく観客をミスリードさせつつクライマックスに突入していきます。
町山さんがラジオで「これは西部劇だ」と言ってましたが、確かに自分の身は自分で守るしか無い土地であるとか、保安官(捜査官)との追跡劇であるとか(トゥルー・グリッド思い出しました)なるほど確かに言われてみればという感じですが、西部劇に明るくないのでアレですが、自分は復讐劇としてこの映画を堪能しました。
差別され、抑圧され、大事な家族を奪われても泣き寝入りしかできない状況を丹念に描いて、最後にそれを爆発させるシーンのなんと爽快なこと(不謹慎ですみません)。
何台もの車を連ねて敵の本拠地にカチ込みに行くシーンでの俯瞰ショットとか、見せ方とか音楽とか、何か知らんけど気持ちが高揚するんですよね。
そして最後。ジェレミー・レナーの怒りの一撃が凄まじい。何そのライフルの威力は?これまで抑えに抑えてた怒りを開放するかのような、とんでもない威力でねじ伏せます。マジであのライフルには唖然としました。なんというカタルシス!
そして首謀者にはじっくりと苦しみを与え復讐を果たします(ネタバレごめんなさい)。
この映画、ファーストシーンは何かワケあり風に見せてるけど、最後に状況を明かされた時、あのファーストシーンの重みが出てくるようになってて、たぶん二度目に観るとあのシーンの見え方が全然違ってくるんじゃないでしょうか。
For me @WindRiverMovie is about all the missing Native American women #WindRiverArt creative brief entry https://t.co/PFFV2JC3Z7 @PosterSpy pic.twitter.com/ynAJhuemXz
— AltoMedia (@AltoMediaSocial) August 28, 2017
彼女は戦士だった。彼女は6マイルも走ったのだ。
ズッシリきます。
以前、感想を書いた『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』や『デトロイト』なんかがそうなのですが、悪の正体が不明瞭だったり、わかっていてもどうすることも出来ないという幕引きは確かに考えさせられるんだけど、すごく重たいものが残っちゃうので正直キツいんですよね。モヤっとすると言うか(それこそが作り手の狙いなんでしょうけどもちょっとズルい気もしたり)。
その重いテーマに興味を持ってもらう手法はサスペンスだったりホラーだったり(あるいは笑いだったり)という映画ならではのエンタテイメントを用いているので、なんだか複雑な気持ちになっちゃうんですよね。
この映画に関しては、復讐劇という主人公にも観客にも溜飲の下がるエンタテイメントにしているので、ある程度は重たい気持ちが緩和されます(だからといって根本の問題解決にはなってませんが)。
自分的には映画としても、問題提起としても、ちょうど良いバランスじゃないかと感じましたが、この辺は人によって全然感じ方が違っちゃうんでしょうね。
あ、今思い出したけど復讐劇と言えばタランティーノでしたね。
アメリカが見ようとしなかった黒人奴隷をテーマにした『ジャンゴ 繋がれざる者』も(最後は)大変スカッとする復讐劇でした。
まあでも、西部開拓時代に入植者たちに追われて、今では保護区に押し込め存在すらしてないかのような扱いを受けている先住民の方たちを、西部劇の手法で世に知らしめるというのも皮肉の効いた映画ですよね。
そうそう、皮肉といえば、レイプを扱った映画なのに、最後のスタッフロールのところでワインスタインの文字が出てきて(たぶんハーヴェイではなく弟さんのほうだと思いますが)驚くと同時に笑っちゃいました。これも皮肉?
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監督のテイラー・シェリダンはこれが初監督作品なんだとか。
脚本を手がけた映画はこちら。今ならAmazonプライムビデオ対象。