観た映画:女神の見えざる手
これはなかなか硬派な映画でした。
最初に断わっておきますが、この映画は思いがけない展開を楽しむ映画でもあるので、情報は最小限で観に行くことをおすすめしときます。
超簡単に内容を説明すると、アメリカで銃規制法案を通すために、凄腕の女性ロビイストが敵も味方も関係なしに仁義なき闘いを挑む、というお話。
そもそも「ロビイスト」って何(どんな仕事?)って聞かれてもちゃんと答えられる自信はありませんがw
Wikipediaを見るとロビー活動ってある。あー、ロビー活動ならわかる(イメージできる)。俺ってやっぱりオッサンだ。昔はニュースやTVでよくロビー活動って言葉耳にしたよね。
たぶん日本にもこういうロビイストっているんだろうけど、あんまり一般的では無いと思うんだよね。
でも、そこはさすがアメリカ。まるで企業が会社の商品をヒットさせるために広告代理店にまるっとお願いする感覚で、政治家に通してもらいたい法案をあの手この手で実現するプロフェッショナルな集団(ロビイスト)にまるっとお願いする、という世界がフツーにあるようだ。
そして、実績のあるロビイストさんたちは、当然その世界では立場が強くなり、下手すると政治家よりも強くなってしまうかも…?そんな恐ろしい話でもある。
本当は、アメリカの銃社会や政治のバックグラウンドを知ってるとたぶんもっと面白くなるんだろうけど、自分程度の知識の人でも、まあそれなりにちゃんと面白く観られる映画になっている。
いや、それなりに面白く、ではなく色々と意表を突かれまくられ、ほとんどの人は何度も驚かされるはず。たぶん。
とにかく終始主役のスローンさん(タイトルの女神さんのこと)にすべて持っていかれます。開始早々からどアップのバッチリメイクに持っていかれます。
一応ね、なんでスローンさんはそこまでやるのか?って疑問も残ったりもするし、前半はちょっと眠くなったりもしますw
でも、最後は初めてユージュアル・サスペクツを観たときのような、そんな感覚さえ残ります(例えが間違ってるかもw)
アメリカの銃社会問題という重すぎるテーマと、スローンさんの仕掛けるサスペンスなエンタテイメントが絶妙に同居している感じ。
脇を固める俳優陣もみんな良かった。
中でもジョン・リスゴーがこの前見た「コンサルタント」では何だか残念な感じだったけど、今回はちゃんと存在感あって良かったかな。
これを機にアメリカの銃社会の背景についても軽く勉強してみるのもいいかも。
最近アメリカで銃乱射とか、トランプ大統領の銃規制に対する考えとかニュースで話題になっていることだし、とてもタイムリーな映画でもある。
ちなみに自分は町山智浩さんのファンなので、町山さんのYouTubeとか記事がわかりやすいのでおすすめです(あくまでアメリカ社会のことあまり知らないって人には)。
あと、ほんと蛇足なんだけど、この映画の人達はまあとにかく超絶に早口でしゃべりまくる。特に主演のスローンさんはすごい。
「シン・ゴジラ」で庵野監督が俳優にとにかく早口でしゃべらせたって話があるけど、あれってそんなに早くもないんじゃないか?って思うほどw
最近の映画の中のアメリカ人たちは、ほんとに超高速で難解なことをしゃべりまくっている気がする。この映画の吹替はいったいどうなっているのかDVD出たらちょっと見てみたいかもw
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Amazonでロビイストで検索するとケビン・スペイシーの映画が出てきた。さすがw